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ボタニクス(Botanicus)

苗を見たいお客さんもいる

Botanicus

植物園に苗を植えて花を育て、訪れたお客さんに楽しんでもらうパターンマッチングゲーム。今年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞で推薦リストに選ばれた。お金カツカツで1金に泣く展開は、往年のハンス・イム・グリュック社の名作を彷彿とさせる。

アクション選択はメインボード上で行う。1列に4つのアクションがあり、前のラウンドでより上にあるアクションを選んだプレイヤー(同じアクションならより後に選んだプレイヤー)から順に選んでいく。弱いアクションならば連続手番も可能だが、強いアクションを取るほど後手番になる仕組み。

アクションはメインボード上の3つのトラック(お金、水やり、植物)を進むのが基本で、他に動物や庭カードなどがある。プレイヤーボードには庭師がおり、その周囲4つの花壇に植物を植えたり、水やりをしたりできる。植物はレベルI~IVがあり、各段の注文を揃えると得点できる。

最初の客は苗を見たい客なので浅く広く植えていき、後の客は花を見たい客なので水やりをしたり植え替えたりして育てる。しかし庭師の移動にはお金がかかるので、あまり行ったり来たりはできず、どこまで育ててから移動するかが悩ましい。育てたいところで水やりのアクションが選べなかったり、逆に新しい苗がほしいのに水やりばかりになることも少なくない。

動物は基本ゲームではただの得点だが、上級ゲームでは動物が花壇を塞いでおり、除去しないと植物が植えられない。しかも動物ごとに「〇〇を取るたびに+◯点(◯金)」といったさまざまな永続効果が用意されており、どの動物から取るかも悩ましい。

庭カードはお金を払ってさまざまなアクションができる追加アクションで、どんなアクションができるかは引いてみてのお楽しみ。このおかげで運の要素があり、息苦しくない。

アクショントラックを3周したらゲーム終了で、勝利点を競う。最後は全部植えられている縦列の植物が得点になるので、空いた花壇がないようにしたい。上級ゲームではプレイヤーごとに庭のパターンが異なり、庭師が2人いてかゆいところに手が届きやすくなっている。

アクションは4択ながら、庭師の移動など考えどころが多いので公称プレイ時間では収まらず4人で90~120分くらいと結構重め。しかしゲームの要素は複雑でなく遊びやすく、じっくり考えて遊ぶところに重きが置かれている。「ドイツゲームかくやあらん」という作品。

Botanicus
ゲームデザイン:S.タベリーニ=フェラーリ&V.マッセイニ
イラスト:M.グレーバー&F.G.シュテンメレ
ハンス・イム・グリュック(2024)
2~4人用/10歳以上/45~60分
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Posted in 国産新作ゲーム

マーダーミステリーゲーム『マーダーミステリー・オブ・ザ・デッド:0』9月20日発売

グループSNE/cosaicは9月27日、マーダーミステリーゲーム『マーダーミステリー・オブ・ザ・デッド:0』を発売する。ゲームデザイン:しゃみずい、監修:秋口ぎぐる、アートワーク:タンサン、7~8人用、15歳以上、180分、3960円(税込)。

ゲームマスターなしでプレイできるパッケージ型オリジナルマーダーミステリーシリーズ第21弾。2021年に発売された『マーダーミステリー・オブ・ザ・デッド』の前編に相当し、舞台は世界滅亡後のショッピングモールからグレフスクという港町に移った。

21世紀の現代にあって、時の流れから取り残されたような穏やかさを保つ港町グレフスク。美しい湖の対岸にはモダンな別荘が建っていた。湖畔の静謐は、悲鳴によって破られる。「助けて! ゾンビに襲われたんだ!」別荘に駆け込んだ少年は訴える。ゾンビ? B級映画に出てくる、あのゾンビがいるだって? その翌朝のことだった。別荘には、頭部を激しく損傷した死体が横たわっているではないか! 「ゾンビだよ! ゾンビがやったんだ!」少年の語る言葉は、嘘か……? 真か……?

B級ホラーテイストな世界観で巻き起こるミステリーと、独自のギミックで、初心者からベテランまで楽しめる作品。原作の『マーダーミステリー・オブ・ザ・デッド』は11月からTVアニメ化され、BCテレビ、TOKYO MXにて放送される。