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オスティア(Ostia)

気持ちいいマンカラ

ostia

ローマの港オスティアで大船団のオーナーとなり、船を作り、途中の港に建物を建てつつ目的地を目指すリソースマネージメントゲーム。うちばこやがキックスターター限定で発売した。マンカラ方式による資源獲得とアクション選択は他作品にも見られるが、制限がきつくなく思い思いの戦略が取れる作品となっている。

手番には個人ボードにある6エリアから1つを選び、まずはそのエリアの資源を船の数だけ獲得する。それからそのエリアにある船を時計回りに分配して、最後の1個を置いたエリアのアクションを行う(マンカラ方式)。アクションは移動、造船、注文、建築、交易、監督の6つ。監督は残り5つのうち好きなアクションができる上に、もう1回マンカラできるお得アクションとなっている(ただし資源はもらえない上に、そこで船が最後の1個になるパターンは続かないため、こればかりやっているわけにはいかない)。

「移動」ではメインボード上の自身の船を4つのゴールのいずれかに向かって進め、道中で資源やトップ通過ボーナスを獲得できる。「造船」では個人ボードの船を増やしたり、船を強化して新しい船を出航させたりする。「注文」でカードで指示された資源をアンフォラ(壺)に変換し、「建築」で船が通過した港に建物を建ててアクションを強化する。「交易」でさまざまな港の効果を使う。それぞれのアクションでは資源を使い、多く貯まってから選択したほうが効率がよい。

終了条件は誰かの船が一定数目的地に到着する、アンフォラがなくなるなどいくつかあり、誰がどこでトリガーを切るかの駆け引きもある。最後に建物・船・アンフォラなどが勝利点になるが、ゲーム中に上昇させる「褒章」によって1個あたりの得点が上がっていくところがポイントだ。

公称プレイ時間は100~120分と、海外作品・初回プレイなら3時間以上かかりそうな設定だが、実際にも2時間以内でプレイできる(海外作品なら75~90分と表記するレベル)。「監督」というジョーカーアクションと、さまざまな使い方ができるお金があることで、資源が1足りなくなったり、手が詰まったりせず、のびのびと好きなことができる。マンカラ内に船が増え、建物が置かれることで手に入る資源が増えていく成長の楽しさもあり、ゲーム後半の加速も気持ちいい。

さらに拡張セットでは初期資源があり、序盤からスピーディなプレイができる。盤面の初期タイル配置によって戦略も変わり、リプレイアビリティも高い。海外作品に全く引けを取らない国産ユーロ系重量ゲームであり、今後普及版の一般発売が待たれる。

Ostia
ゲームデザイン:戸塚中央/イラスト・ウラベロシナンテ/アートワーク・別府さい
うちばこや(2022年)
2~4人用/14歳以上/100~120分

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『エバーデール:大鐘の祝祭』5月11日発売

アークライトゲームズは5月11日、『エバーデール:大鐘の祝祭(Everdell: Bellfaire)』を発売する。ゲームデザイン:J.A.ウィルソン、イラスト:A.ボスレー、1~6人用、14歳以上、40~120分、8580円(税込)。プレイするには『エバーデール』基本セットが必要。

『真珠の入り江』『剣ヶ峰』に続く『エバーデール』の拡張セット日本語版第3弾。オリジナルは『剣ヶ峰』より早く、2019年に発売されている。大樹の森の下で動物たちが街を発展させるボードゲームに5つの要素をモジュール式で加える。

労働者コマの強力な特殊能力、新しいマーケットがある大鐘の祝祭ボード、ゲーム終了時に特定の分野において優れた功績をあげると追加の勝利点をもらえるガーランド賞、新しい特別イベントカードのほか、5~6人でゲームを遊べるコンポーネントが入っている。

さらに、1人用ゲームでラグワートと対戦するルールが更新され、より難易度の高いゲームに挑戦できるようになり、戦略性とリプレイ性を高める。

内容物:ルール説明書 1冊、祝祭会場ボード 1枚、市場ボード 1枚、プレイヤーボード 6枚、授賞式タイル 7枚、基本イベントタイル花祭り 1枚、特殊イベントカード 9枚、森カード 4枚、特殊能力カード 15枚、ラグワートトークン 1個、アホロートル/任意資材トークン 8個、市場トークン 4個、労働者コマ 12個、カエル大使コマ 2個(※カードサイズ44×63mm)