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ゲームマーケット2012春日記

前日は仕事が終わってからの新幹線だったため、東京着は17時。夕方から東京駅近くのドイツレストランで前夜祭に臨んだ。メビウスおやじさん、メビウスママさん、かゆかゆさん、bone5さん、けがわさん、じろうさん。
当初はお茶のつもりがメビウスおやじさんが「泡の出るお茶にしましょう」とおっしゃるのでドイツレストランになった。東京駅付近にはドイツレストランが2件あって、今回初めていくところだったが、メニューを見てビール(500ml)1280円とかびっくり。ビールはミュンヘン直送とかいうだけあって、ドゥンケル、ヴァイス、ラガーとどれも美味しかったが、料理はいまひとつ。
それでも6時間、来年開店20周年を迎えるメビウスゲームズの内幕などいろんな話ができてよかった。、かゆかゆさんが翌日のゲームマーケットで出展されるゲームの校正を頼まれていたので早めに解散。同じホテルに泊まるじろうさんとラーメンを食べて帰る。ビール1.5Lでその日のうちに二日酔いになり(弱っ)、ホテルに付いた頃から頭が痛い。
当日も仕事があったので、会場に着いたのは13時になっていた。ツイッターを見ると2時間以上前から並んでいたらしい。開場当初はすごい人ごみだったそうだが、お昼過ぎには適度に空いて和やかな雰囲気。開場前の行列は男女比9:1ぐらいだったというが、この頃には3:1くらいで、カップルや家族連れをよく見かけた。多くの男子は買い終わったら帰るなり、6階のフリースペースで遊ぶなりしていたようだ。
早速ブース探索を開始したが、カタログで見てもどこに何がある分からないほどブースが多い。さっと見ていったはずだったのに、知っている人と会うたびに立ち話をしているものだから4階だけで3時間近く経ってしまった。この時間ではやはり売り切れが目立つ。Realさんに誘われてツクルカの『カルマノルマ』を試遊。この日遊んだのはこの1タイトルだけである。
やっと5階に上がった頃には閉会1時間前となっていた。売れ行きを尋ねながら駆け足で回る。こちらでもたくさんの知り合いとお会いし、しゃべっている時間がほとんどだった。ゲームは購入を予定していたもの以外、あまり見ていない。
閉会後も知り合いと話し込み、会場を後にしたのは17時半。ふうかさん、karokuさんと御徒町のインドレストランに移動して反省会を行う。
御徒町近くの線路ガード下にあるインドレストラン「Prasadi(カタカナはなぜか「パルサーディ」)」は美味しくてリーズナブル、そして赤ちゃんがいてアットホームだった。カレー2種に特大ナン、ケバブとタンドーリチキンがついたセットが、昨日のドイツレストランのドイツビール1杯分くらいであった。モモ(チベット風水餃子)が絶品で、ラッシーやチャイを頼みつつ5時間ほどおしゃべり。
今回のゲームマーケットは来場者も出展者も過去最高規模だったが、一部のブースに殺到する一方で、思うように売れなかったブースも多かったようだ。ゲームマーケット前、ボードゲームリサイクルCUBEには買取依頼が増えたという。ここでゲームマーケットの資金と収納スペースを確保した人が多かったということは、今までたくさん購入してきた愛好者が飽和状態になっていることを伺わせる。売れるブースと売れないブースがはっきり分かれる状況をkarokuさんが「(出展者による)財布のワーカープレイスメント」と いったのはうまいこと言ったものだ。
そのほか、ウェブでは日本語ルールの誤訳をまとめたページ(「エラッタの森」)がほしいねとか、定期的に議論が起こるトピックを整理したページ(「ボードゲーム論争史」)がほしいねという話になった。今度作ってみようかなと思う。
ホテルまで歩いて帰還し、翌朝新幹線で帰宅。新幹線の発車15分前にホテルを出て間に合うので便利だ。
私がゲームマーケットに参加する主目的はこのところ、ゲームを買うことより人と会うことになっているが(最近はエッセンもそうなりつつある)、今回もそれが果たせてたいへんよかったと思っている。日頃悩んでいた問題についても多くのアドバイスを頂き、希望が湧いてきた。さらに新しい出会いもあり、有意義なイベントになった。欲をいえば、エッセンの4日間とまでいかなくても2日間の開催にしてほしい(そうすれば、もっといろいろプレイできるし、出展者も1日で売り切らなくてもよいので、多めに準備できるかもしれない)。
おしゃべりにお付き合い頂いた方々、声をかけてきてくれた方々、ゲームマーケット運営関係者に深く感謝申し上げる次第である。ありがとうございました。

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スペキュレーション(Spekulation)

思惑で乱高下
先日『ダービー』を紹介したディルク・ヘンの個人出版社デーベーシュピーレは、1992年のデビュー時に3タイトルを発表した。そのうち『アルカポネ』が後に『シュティムト・ゾー』を経て大賞作『アルハンブラ』になる。リメイクされていない残りの2タイトルのうち、1タイトルがこの『スペキュレーション(投機)』である。乱高下する株をタイミングよく売買し、一攫千金を狙う。
コンポーネントは、白黒で印刷したものに1つ1つペンで着色したもの。いったいいくつ製作されたのか分からないが、この手作り感には感動する。このゲームが制作された20年前は、自宅プリンターなどない時代だった。
スペキュレーション
会社コマがボード上を双六のようにして進み、順位によって株価が決まる。どの会社コマが進むかは、プレイヤーの選択で進むため、手持ちの株券によって思惑が絡み合う。安く買って高く売ることができるかどうか。
手番プレイヤーは、シンボルダイスと数字ダイスを振る。シンボルダイスはH、+1、−1、ブランクとなっており、Hなら手番プレイヤーから全員が株券を売買し、+1と−1は手番プレイヤーが会社コマを1つ選んで順位を上げ/下げる(順位が1つ前/後のコマのさらに前/後のマスにワープさせる)。
続いて数字ダイス。各プレイヤーは手札から1枚選び、その会社のコマを数字ダイスの分だけ進める。ダイス目が大きいときは自分が株券をもっている会社を、ダイス目が小さいときは他人が株券をもっている会社を進める。全員が同じダイス目で進めるので、双六にしては運の要素が低い。
カードの構成は全員同じで各社1枚と、どれも進めないというカード1枚。それを各自の山札にして、手札を2枚もつ。1枚出したら1枚引いて、出したカードは全部の会社を出すまで戻ってこない。これもまた運の要素を抑えている。
どれかの会社コマがゴールに着いたらゲーム終了。最初は1位100マウス(お金の単位)〜8位30マウスだったのが、ゲームが進むにつれて差が開き、最後は1位325マウス〜8位マイナス60マウス。もっているとお金が取られてしまう。
理想的なのは、下位で安いうちに買っておいて、その会社がごぼう抜きして上位に躍り出たら高いうちに売って、その資金でまた安い株を……という流れ。でもそんなにうまくいくはずがない。特にほかの人がもっている株を買っていかないと、誰も応援せずなかなか上位に出ないものである。
序盤に買った株が下位に低迷し、資金繰りができなくなったが、最後に高く売り抜けたので持ち直した。1位は2回売り抜けたtomokさん。手番順で優良株をただ1人買えなかったぽちょむきんすたーさんは、安い株で仕手戦をしかけたが、一か八かのチャンスにカードが出なくてマイナス決算。思惑が絡みあう中で、自分だけがもっている株券が上位に食い込むか、あるいは上位から転落しないか見守るのはドキドキする。
Spekulation
D.ヘン/デーベーシュピーレ(1992年)
3〜6人用/12歳以上/60分
絶版・入手難