地球温暖化(Global Warming)
ぎりぎりになってその場しのぎ
某国の首脳となって、地球温暖化と国民の幸福度のバランスを取るドイツのボードゲーム。持続可能な社会とは何かを考えさせられる。
ゲームの道筋は、産油国に採掘塔を建ててオイルを採掘し、そのオイルで産業を開発して収入を得、その収入を消費にあてて国民の満足度を上げる。産業を開発したときに地球温暖化度が上がり、各プレイヤーの責任と、その合計が記録される。
ゲームはマルチエンディングとなっている。限界を超えないまま満足度が規定点に達すればその人が勝ち、温暖化度が限界を超えれば、温暖化度の責任が一番小さい人(=産業の開発が少なかった人)が勝つ。
ゲームはカードプレイがメイン。そのほかにカードの補充、採掘塔の建設、オイルの採掘があり、手番にはこの中から1つを行う。産業カードを出すにはオイル、消費カードや緑のカードを出すにはお金が指示された分だけ必要だ。
このほかに、補充枚数を増やしたり、安く採掘できたり、採掘を妨害したりするアクションカードと、突発的に被害を受けるアクシデントカードがある。
4人プレイで1時間半。ゲームが始まるとものすごい早さで温暖化度が上昇して、地球の終わりが見えてきた。温暖化度トラックは途中でペナルティーがあり、そこでスピードがやや鈍るが、誰かが踏み越えるとまた加速する。収入を得るには、これしか方法がないのだ。
しかし限界である「温暖化度100」の手前で発展が急速に止まる。緑のカードで温暖化度を下げては、発展カードで上げるという一進一退の状況が続く。やがてオイルが枯渇し、産業すらできない状況に。お金を使い果たすと、もうパスしかない。
限界を超えたときのために、責任を増やさないようにする人も現れる中、中盤に採掘に力を入れていたcarlさんが備蓄していたオイルを注意深く使い、満足度で勝利。限界に近づいてからその場しのぎの対策を繰り返す状況に、現代社会への皮肉が込められている。
Global Warming
S.ブツァック/ミュッケシュピーレ(2011年)
2~4人用/8歳以上/30分
ゲームストア・バネスト:地球温暖化
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荒らすつもりはないけれど友達ほしい
SNS上でファンを集め、友達を増やすイタリアのゲーム。足の引っ張りあいが生々しい。
手番にはほかの人を1人指名して挑戦する。お互いに手持ちのファントークンをコイントス。ファントークンは表が「いいね!」、裏が「ないわー」になっており、「いいね!」の多いほうが、相手のファントークンを奪う。これはSNS上で荒らし(荒らすつもりはないだろうが)が誰かのページに書き込んでファンを奪うことを示している。
手番になったら、1人指名して挑戦する(「ディスカッション」)。お互いのファントークンをコイントスして戦うが、このとき、お互いにファントークンの報酬を交渉して応援を頼むこともできる。コイントスの結果が思わしくなかったら、応援を願おう。
応援を頼んだがために、相手側も応援を頼んで大量のファントークンが投じられることになるのは常のこと。応援したことが裏目に出て負けてしまうも。炎上感があってリアルだ。
このときカードをプレイして、「空手家=引き分けでも勝つ」などのプロフィールカードの特殊能力を使ったり、「友達申請」でファントークンを奪ったり、「強制終了」で自分の陣営が有利なところでやめさせたりできる。誰でもいつでもカードを出せるので、タイミングを見計らって出そう。裏工作に工面する姿が涙ぐましい。
勝敗が決したら、勝ったほうが負けたほうからファントークンを取る。ファントークン3枚でお友達カード1枚を「購入」(泣)。お友達カード4枚で勝利となる。ただし、お友達カードを購入できるのは「ディスカッション」に参加した人のみ。
お友達カードが3枚になってリーチすると、誰も味方についてくれなくなる。しかも応援も頼まれなくなるので、お友達も購入できなくなる。そのうち皆がリーチするから、自分の手番にカードプレイを駆使して頭ひとつ抜け出せるかがカギである。
5人プレイで1時間。4人がリーチして混戦模様となった中で、carlさんがとっておきのカードで一気に決めて勝利。SNS中毒への皮肉がたっぷりのバカゲーだが、カードを使うタイミングにちょっとしたスキルが要求される。
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M.アルミーニ、M.ピエランジェリ/クラニオ・クリエーションズ(2012年)
3~8人用/10歳以上/30分
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