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手本引き(Tehonbiki)

賭博の終着駅とか
夏のボードゲーム合宿で、『手本引き』という伝統博打ゲームをプレイした。ボードゲーム界隈で話題になっていたのでどんなゲームかは知っていたが、知っているのとやってみるのとでは大違い。高度な心理戦にシビレまくる。

どんなゲームかというと、1~6の札から親(胴元)が選んだものを当てるというそれだけである。当てれば胴元から配当を受け取り、外れれば胴元に没収される。賭け方には1点から4点張りまでいろいろあって、札の置き方によって倍率が異なる。当然、張る点数が少なくなるほど倍率が高い。胴元の持ち金がなくなったらゲーム終了。

刑法185条により、もちろんお金は賭けなかったが、Tさんが雰囲気を出すために「こども銀行券」を用意(さらに「子供達のお年玉貯金10年分」などといったリアリティあふれる説明札も付ける)。また雰囲気を盛り上げるために『仁義なき戦い』広島死闘篇のDVDを流してくれた。
手本引
ゲームのポイントは、親がこれまでに選んだ数の履歴か表示されているところだ。直前に選んだ数を「根(ね)」、2回前に選んだ数を「小戻り」など、それぞれ名前が付いている。「根」つまり同じ数字を2回連続で選ぶのはなかなか勇気がいる。だから裏をかいて「根」を選んでくるんじゃないかとか、裏の裏をかいて「根」は選ばないんじゃないかとか、そんなことを考えながら賭けるのである。

目に見える手がかりは全くない。履歴と親の性格から判断するしかない(親はランダムに選べないようになっている)。そんなことは無理だろう、直感と運だけが勝負だと思っていた―ゲームが始まるまでは。

ところが、ゲームが始まると目に見えないものすごい駆け引きがあった。しばらく選んでいない札をいつ選んでくるか、と思わせておいて「根」を選んでくるか、そのどちらでもない中間から選んでくるか。恐ろしかったのは、私が胴元になったときである。bashiさんに3連続の2点張りで当てられ、身ぐるみ剥がされてしまう。このときは背筋がぞっとなった。メンタリストかよ!

そういうわけで予め設けておいた規定点にbashiさんが達し、最後の3番勝負に。ここで大勝負に出たくさのまさんが一発当てて勝利。くさのまさんは「通り」という、冴えている人に相乗りする手法で大負けを回避していた。一方、多額の借金をしたぽちょむきんすたーさんは拳銃(のおもちゃ)をこめかみに当て、同じく多額の借金とともに8000点だけ残った鴉さんは「うまいもん食ってから逝きます!」

ギャンブルはほどほどにというよい教訓でした。

・TGiW書評:『賭けマージャンはいくらから捕まるのか?』

手本引き
作者不明/伝統ゲーム
2人~/18歳以上/45分~

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シュピール’13新作情報:ホワイトゴブリンゲームズ

オランダの出版社で、ドイツゲームのオランダ語版から自社オリジナルゲームまで幅広くリリースしています。ここではオリジナルゲームを紹介します。
アーティファクト(Artifact)
J.D.アラーズ、B.アイゼンシュタイン作、3~5人用、12歳以上、60分。
20世紀前半、欧米の博物館は世界中から遺物を集め、博物館に収蔵して競うように名の轟く展覧会を開いていました。プレイヤーは考古学者となって世界中を探検し、遺物を発見して博物館に持ち帰ります。展覧会の収益で次の発掘費用を捻出し、名声を獲得します。アクションと資金は限られてますが、競争は厳しく、ときには闇市場から資金や遺物を調達しなければいけないことさえあります。展覧会と資金のやりくりで名声を最も多く集めた考古学者が勝利します。
ゲーム中にはたくさんの選択肢がありますが、基本ゲームと、2つの拡張を入れた完全ゲームに分かれており、段階的にルールを把握できるようになっています。拡張は1つずつ入れてプレイすることもできます。

パシャ(Pasha)
S.ドラ作、2~5人用、8歳以上、30分。
パシャとはトルコ・エジプトの州知事・軍司令官です。5つのサイコロをうまく組み合わせ、パシャとなって価値の高いカードを手に入れます。アクションキューブを上手に使うことで、勝利のチャンスを増やします。毎ラウンド、カードを出して、このラウンドの得点方法を決めます。サイコロを振り、一番よい組み合わせだったプレイヤーはカードやボーナスタイルを取り、特別アクションができるようになります。

パケット・ロウ(Packet Row)
H.ベルイ&A.ベルイ作、2~5人用、10歳以上、45分。
1842年のニューヨーク。現在は史跡となっているサウス・ストリート・シーポートには、定期船が列をなして出入りしていました。待機している船の多さに、このエリアは「定期船の列(パケット・ロウ)」として知られるようになりました。プレイヤーは貿易会社を経営し、大西洋貿易で利益を稼ぎます。しかし、お金持ちになるだけではゲームに勝てません。街のために利益を還元し、勝利点を得なければいけないのです。
今日もプレイミス:パケット・ロウ

インベーダーズ(Invaders)
M.チャプリン作、2人用、12歳以上、60分。
強力な武器をたずさえて地球を整復しようとするエイリアンと、人類の英知を結集した地球防衛軍が戦うボードゲーム。自分のデッキから軍隊、作戦、資源、イベントのカードを出しあって戦います。非対称の戦闘ゲームなので、カードの内容から、勝利への導き方まで両者全く異なります。敵の弱点を見抜き、有利なところから攻め、フェイントをしかけて勝利を手にしましょう。

ローグ・エージェント(Rogue Agent)
D.オースロー作、2~4人用、12歳以上、90分。ストロングホールド社(アメリカ)との共同開発。
2048年の地球では、犯罪集団と警察部隊が争っていました。プレイヤーは秘密のエージェントとなり、ハイテク爆弾を解除し、暗殺を阻止して犯罪を防がなければなりません。街を歩いてアイテムを集め、乗り物や武器をアップグレードしていきます。しかしエージェントの中に、アンドロイドがいます。アンドロイドは次第に本性を現し、人類の殲滅を目指します。手がかりを早く発見し、アンドロイドを倒さなければなりません。
『パニックステーション』の作者による、SFアドベンチャーゲームの第2弾です。

ボルスパ:神々の命令(Völuspá: Order of the Gods)
S.カプト作、2~5人用、10歳以上、45分。
スカンジナビア神話に基づく神々のタイルを並べるゲームの拡張セット。ドワーフ、女神、カラス、ニーズヘッグのタイルが加わり、より多様なコンボが組めます。

ラットゥス・カルトゥス拡張:貴族(Rattus Cartus: Nobilis)
H.ベルイ&A.ベルイ作、2~5人用、10歳以上、30分。
ペストの流行した中世ヨーロッパを舞台にしたボードゲーム『ラッタス』のカードゲーム版の第1拡張。貴族のいる建物カードが新しく加わり、新しい展開が生まれます。

ラットゥス:メルカトゥス(Rattus Mercatus)
H.ベルイ&A.ベルイ作、2~4人用、10歳以上、45分。
ボードゲーム版の拡張セット。詐欺師、泥棒、侵略者など新しい職業カードが12枚加わります。