宙へ(Sorae)

循環する選択カード

Sorae

魔法世界で衛星に移住するための軌道ロープウェイを建設するボードゲーム。『ファクトリア』のようなキツキツのリソースマネージメントを、アクション同時選択でスピーディに楽しむことができる。

8ヶ所のアクションスペースから1つを、各自選択カードを使って選び、一斉に効果する。『ファクトリア』では他プレイヤーとバッティングするかどうかで効果が分かれたが、『宙へ』では選択カードが選択の履歴付き(クリップで表現)で左のプレイヤーに移動していき、前のターンにプレイヤーが選んだアクションは有料になっている。

アクションスペースでは、通常アクションを行うか、お金を払って強化アクションを行うか、お金を払ってそのアクションスペースにいる専門家カードを使う。強化アクションと専門家カードの間を自分の色のキューブが行き来するところがポイント。強化アクションは一度お金を払ったらキューブがそこに置かれて次回からそのまま使えるようになるが、専門家カードを使うとリセットされてしまい、またお金を払わなければならなくなる。また専門家カードは強力だが、使うとキューブが置かれ、もう1度使うには強化アクションにキューブを移さなければならない。カツカツのお金の中で、キューブを移動させる機会は限られるため、選択が悩ましい。

リソースは「魔石」「鉄」「機械」「船」の4種類で、入手難易度が上がっていくところは『ファクトリア』を想起させる。指定されたリソースが揃ったら、「建設」のアクションスペースで支払ってロープウェイを建設すると得点と報酬が入る。プレイ人数分だけ建設されると、建設は次のステップに入り、必要なリソースは増え、得点も報酬も徐々に上がっていく。6ステップ完成したらゲーム終了で、どれくらい建設に貢献できたか、最初に配られている「表彰カード」の条件を満たしたかなどで勝敗を決める。

アクション同時選択のためダウンタイムがほとんどなく、それでいて選択カードの循環によってできることが変わっていき、建設競争は後になってもメリットがあるため、先にリソースを集めたプレイヤーが有利というわけでもない。専門家カードを使うためにお金をためて、一気に追いつくことも可能だ。いろいろな戦略が可能で、しかも専門家カードは組み合わせも場所もランダム。イラストの世界観も心躍るものがあり、メカニクス・テーマともに堪能できる(コンポーネント代を抑え、2000円というゲームマーケット価格を実現したところも素晴らしい)。

宙へ
ゲームデザイン&イラスト:赤瀬よぐ/よぐゲームズ
2~6人用/10歳以上/45~60分

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