1.ゲームの選定
どんなボードゲームを選ぶかは参加者の年齢を最も考慮する。対象年齢が低いゲームでも、その年齢でルールを飲み込めないこともよくある。特に低学年では、対象年齢を問わず、直感的で、見ただけで何をするかよくわかり、ルール説明が短いゲームを選ぶ。『ねことねずみの大レース』『ナンジャモンジャ』『スティッキー』『ベルズ』『カヤナック』などは、初めて遊ぶなら低学年でも十分楽しめる。一方、イカサマやミスのチェックがしにくいゲーム(紙ペン系など)は出しにくい。
毎回1~2つの変わり種を定番のほかに用意し、子どもたちの反応やかかった時間を見ながら次に持っていくゲームを検討する。今どき、ボードゲームに詳しい子どももいるので変わり種は少し用意しておくと喜ばれるかもしれない。
2.スタッフの事前説明
参加者が多い場合、一人でルールを説明して回るとだいぶ待たせてしまう。そこで別の日か、当日早めに集まってもらい、ルール説明を行う。理想的には参加者÷4人のスタッフ人数がいれば、各テーブルに1人ずつ貼り付けられるが、そこまでいなければ、同じゲームを2つずつ用意して、2テーブルにつき1人のスタッフでもよい。
それぞれスタッフが貼り付いていると、ゲーム中のルールミスやイカサマにも目配りができるだけでなく、盛り上げ役になったり、子どもが足りないときは代打ちしてもらうこともできる。子どもたちが普段一緒にいる人であれば、安心して遊んでもらえる。
ボードゲームに詳しくないスタッフには、予め品物を渡して予習してきてもらうという方法もある。ただし、予め渡しておくと独自ルールで覚えてくる可能性があるので、当日に見回ってチェックしたほうがよい。
3.始まる前に
①ルールをまもる ②たいせつにつかう ③まけてもなかないという3つのお約束をしてもらう。具体的に①は順番を守り、ずるをしないこと。②は壊したり折ったりするのはもちろんのこと、片付けのときテーブルの下に何か落ちていないか確認することで、③は勝った人をほめ、負けた人をバカにせず、次のゲームで1位を取れるよう気分を入れ直すことを伝えている。
4.タイムキープ
いろいろなゲームを同時に行う場合、ゲームによってすぐ終わるところとなかなか終わらないところがある。そこで時間を20分くらいで区切って、短いゲームなら勝ち数での勝敗を、終わらないゲームならその時点での勝敗を決めてもらう。そして水分補給をして、次のゲームを一斉に始めれば、限られた時間内でみんな3~4ゲームくらい遊べるだろう。
5.ローカルルール
時間が長引いたり、ゲームが子どもたちにとって難しすぎたりする場合には、ゲームの面白さを失わない範囲でローカルルールを採用してもよい。正式なルールだからといって、それを全部説明して全部守ってもらうのは難しい。1ゲームやってみて雰囲気がわかってから少しずつ加えていく方法もある。
6.賞品
インセンティブとしてちょっとしたお菓子(うまい棒など)を賞品にする。駄菓子を用意して1位は好きなもの2個、2位は1個取れることにしてもよい。まったくもらえないのも悔しいので、参加賞としてアメやガムなどを用意する。ゲーム会が終わる頃にはお菓子が袋いっぱいになって喜んでもらえるだろう。
7.トラブルのケア
「まけてもなかない」と約束しても、悔しくて癇癪を起こす子もいれば、途中ですっかり飽きてしまって抜けていく子、ゲームをしないのにゲームをしている子にちょっかいを出してくる子がいる。そういう子も怒らず、まず気持ちを受け止め(「悔しかったのね」「難しかったかな」「一緒に遊びたいの」など)、その上で他の子が嫌な思いをしないよう、上手になだめる。小さい子供が続行不能になったときのための遊ぶもの(ブロックなどゲームでないもの)を用意しておいてもよい。
8.終わってから
一過性のイベントにならないよう、お家の人に買ってもらって友達や家族と遊ぶことを提案する。黒板やホワイトボードに今日遊んだゲーム名を書いておき、気に入ったら覚えて帰ってもらう。保護者がいる場合は、近くのボードゲームカフェやショップを紹介して足を運んでもらおう。