昨年の300タイトルを超える約400タイトルをプレイして評価。昨年と一昨年はコロナ禍のステイホームで売上が伸びたものの新作リリース数は減っていたが、今年はこのフェイズが終わり、一般向けは新作リリース数が10%以上増えている。一方、キッズゲームでは幼稚園や学校の休校によりテストプレイがはかどらなかったことがタイムラグで影響して急減したという。
メインである年間大賞(赤)にノミネートされたのは、アメリカ北西部自然公園を舞台にしたタイル配置ゲーム『カスカディア』、日本発のカードゲーム『スカウト!』、数字の強さでお題を表現する『トップテン』。経験者向けであるエキスパートゲーム大賞(灰色)のノミネートには、未確認生物の生息地を突きとめる推理ゲーム『クリプティッド』、SF小説に基づく砂の惑星の権力闘争ゲーム『デューン 砂の惑星:インペリウム』、森の精たちが森を守る『リビングフォレスト』の3タイトル。
この6タイトルはいずれもオリジナルがドイツ国外産で、デザイナーもドイツ語圏の人ではない。審査委員会は「テーマやメカニクスの多様性と、ゲームのクオリティの高さが、国際性に大きな恩恵を受けているということは確か」とコメントしている。日本発の作品がノミネートされたのは『街コロ』以来7年ぶり3回目。『コーラ:ライズ・オブ・アン・エンパイア』も日本発の作品(『インプルーブメント・オブ・ザ・ポリス』のリメイク)。
キッズゲーム大賞(青)には、ダイスゲーム『ガンツ・シェーン・クレバー』のキッズ版『アウフ・ショーン・クレバー』、バッグビルドゲーム『クアックサルバー』のキッズ版『クアックスと仲間たち』、ビー玉を転がすレースゲーム『魔法の山』がノミネートされた。こちらはいずれもドイツ語圏のデザイナー・出版社による作品。
ノミネート作品9タイトル中、日本語版が発売済み・発売予定のものは4タイトルと例年より大幅に少ない。推薦リストでは『世界の七不思議:建築士たち』、『ことばのクローバー!』、『トレック12』、『アーク・ノヴァ』、『コーラ:ライズ・オブ・アン・エンパイア』『ウィッチストーン』の日本語版が発売されている。
【年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)ノミネート】
- カスカディア(Cascadia)
ゲームデザイン:R.フリン/イラスト・B.ソーベル
出版社・コスモス、1~4人用、10歳以上、30~45分 - スカウト(Scout)
ゲームデザイン:梶野桂/イラスト:SINC、小松崎リエ、佐々木隼
出版社;オインクゲームズ、3~5人用、9歳以上、15分 - トップテン(Top Ten)
ゲームデザイン&イラスト:A.ピコレ
出版社・アスモデ、4~9人用、14歳以上、30分
推薦リスト:世界の七不思議:建築士たち、エコーズ:ダンサー、マジックラビット、マイゴールドマイン、ことばのクローバー!、トレック12
【年間エキスパートゲーム大賞(Kennerspiel des Jahres)ノミネート】
- クリプティッド(Cryptid)
ゲームデザイン:H.ダンカン&R.ビーバーズ、イラスト:K.モリヤ
出版社:スケリックゲームズ、2~5人用、10歳以上、30~50分 - デューン 砂の惑星:インペリウム(Dune: Imperium)
ゲームデザイン:P.デネン/イラスト:C.ブルックス&R.ラモス&N.ストーム
出版社:アスモデ、1~4人用、13歳以上、60~120分 - リビングフォレスト(Living Forest)
ゲームデザイン:A.クリスチャンセン、イラスト・A.エティーヌ
出版社:ペガズスシュピーレ、1~4人用、10歳以上、40分
推薦リスト:アーク・ノヴァ、コーラ:ライズ・オブ・アン・エンパイア、ウィッチストーン
【年間キッズゲーム大賞(Kinderspiel des Jahres)ノミネート】
- クレバーキッズ(Auch schon clever)
ゲームデザイン:W.ヴァルシュ/イラスト:G.ヴィヨエン
出版社:シュミットシュピーレ、2~4人用、5歳以上、15分 - クアックスと仲間たち(Mit Quacks & Co. nach Quedlinburg)
ゲームデザイン:W.ヴァルシュ、イラスト:M.メンツェル
出版社:シュミットシュピーレ、2~4人用、6歳以上、25分 - 魔法の山(Zauberberg)
ゲームデザイン:J.P.シュリーマン&B.ヴェーバー/イラスト:A.ノラカラ
出版社:アミーゴ、1~4人用、5歳以上、15分
推薦リスト:バンパイアの村、フレッシス、金の卵、ハニー