豆と共にあれ(Gone with the Beans)

超紙ペンのリソースコントロール

紙ペンゲーム(ロール&ライトゲーム、フリップ&ライトゲーム)は今、国内外で大きなトレンドとなっており、数多くの作品が発売されている。『クウィックス』『ガンツ・シェーン・クレバー』『カートグラファー』『Welcome To…』などがさまざまなゲーム賞を受賞し、その後を追って新しい次元が開かれている。

そんな中、豆をテーマにしたゲームを発表し続けているHOY GAMESが、ゲームマーケット2021秋に発表したフリップ&ライトゲームである。紙ペンゲームは地味で見栄えのしないシートになりがちなところを、フルカラーで情報がつまったシートに仕上げ、プレイ時間も長め。さらに4種類のシートを同梱して拡張性も持たせている。当サイトで行った事前アンケート「注目の新作・買おうとしている新作」では一番人気で、新作評価アンケートでも4位につけた。

はじめに自分の国をランダムに決める。統治者は6つの国をラウンドごとに巡回し、統治者がいるときに建設するとコストが安い。また国によってちょっとした特殊能力が備わっている。統治者のスタート地点もランダムに決めてスタート。

ゲームは15ラウンドで、毎ラウンドカードをめくって、指定された建物からリソースの収入がある。コストを支払って新しい建物を作ることで収入が増えていく仕組みだ。リソースはお金、豆、労働者、牧草の4種類があり、建物によって必要なリソースの組み合わせが異なる。

建設の他にも、牧草を支払ってリソースを得たり、建物が一定件数でマイルストーンボーナスを得たりといったアクションがあり、さらに特定のアクションに付属する発展ボーナス、さらに発展ボーナスをつなげてもらえる発展手形ボーナスがあり、一筋縄では行かない。

基本的には、各国を巡回している統治者が自分の国から遠くにいるときにこつこつリソースを貯めて、近づいてきたところで建設する。リソースの組み合わせがうまくいったり、さまざまなボーナスが入ったりして、複数ラウンドにわたって建設できると気持ちいい。

シートBでは新しいリソース「マメハルコン」、シートCでは新しい建築物「橋」、シートDでは新しいセットコレクション「契約」が加わり、ほかのアクションの戦略も変わる。

何人でも遊べる紙ペンゲームの特徴でもあるが、他のプレイヤーとのインタラクションはまったくない。邪魔されずに計画的・集中的に遊べるが(夢中になって時間を忘れるほどである)、一抹の寂しさを覚えるときは、ゲーム中に他プレイヤーのシートを見て称え合ってもいいだろう。

豆と共にあれ
ゲームデザイン・矢沢賢太郎/アートワーク・長谷川登鯉
HOY GAMES(2021年)
1~99人用/12歳以上/45~60分

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