luz-ルイス(luz)

思ったより強かったり弱かったり

自分からは数字が見えない状態で獲得トリック数を予想し、予想通りになるようにプレイするトリックテイキングゲーム。ゲームサークル「倦怠期」がゲームマーケット2014秋に発表した作品を今年、上野のボードゲームカフェ「コロコロ堂」がリニューアルした。エンボス加工のカードで、出してみるまでわからないスリルが楽しめる。

カードが配られたら、色別に数字を昇順に並べ替えて、どちらの方向が数字が高いかを「HIGH」カードで表し、それを隣の人に渡す。こうして自分の手札は色だけわかるが、数字はわからない状態になる。

他の人の手札の数字は見えるので、それをヒントにだいたい自分の手札の強さを考えて、10トリック中何トリック取れるかを予想。予想には2種類あり、ピタリ賞でないと得点できないが当たると2倍というのと、+1トリックまではOKだが1倍というのがある。いずれも超過・不足していればその分だけ失点になる。

予想が終わったら、スタートプレイヤーから1枚ずつカードを出して、トリックテイキングを始める。ルールはオーソドックスなもので、同じ色があれば出さなければならず、その色の中で一番数字が高いカードを出した人がトリックを獲得できる。白のカードは切り札で、それ以外の色よりも強いが、場合によっては取りたくない場面で取らなければいけなくなるかもしれない。

これを10回繰り返して、予想通りに取れたかを確認し、得点を付ける。規定回数行って合計得点を競う。

ほかの人の手札は常時見えるので、思ったほど手探りではないが、配られなかった山札もあるので自分の手札が消去法で完全にわかるわけでもない。勝ちにいきたい場面で気合を込めて出した(自分の中で)最強のカードが激ヨワだったり、逆に予想トリック数を獲得してもうそれ以上取りたくないときに最強のカードを出してしまったりと非常にエキサイティングである。それでも、ほかの人の数字だけでなく色も注意すれば、ある程度はコントロールできるのもよい。

自分の手札について他の人がどう見ているかがポイントでもあるため、それとなく探り合う会話が起こる。トリックテイキングはコミュニケーションゲームの要素があると思っているが(ドイツであれほど普及しているのも、そういった一面から来ているのかもしれない)、通常は自分の手札の情報開示になるところを、相手の手札の情報開示になるという反転によって新鮮な楽しさがある。

luz-ルイス
ゲームデザイン・新澤大樹(倦怠期)/アートワーク・高畑慧
コロコロ堂(2021年)
3~4人用/10歳以上/30~45分
コロコロ堂:luz-ルイス

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