今年1年に発売された海外ボードゲームの日本語版は231タイトルであることが当サイトの調べで分かった。6年連続の増加で、2019年の222タイトルに続き2年連続の200タイトル超えとなる。
ドイツ年間ゲーム大賞・エキスパート大賞のノミネート作品、ドイツゲーム賞10位以内の入賞ゲームなど、海外で評価の高かった作品は以前から日本語版になっていたが、近年はそればかりでなく、出版社の国籍や大小を問わず、海外の新作が次々と日本語版となっている。今年は3万円という高価格の『グルームヘイヴン』や、国際的な版権問題を見事クリアした『ツィクスト』など、幅広い作品がリリースされた。国内販売元も以前より増え、ボードゲームショップやボードゲームカフェが手掛けることも一般的になっている。
10年ほど前ならば日本語版を全て購入しても遊ぶことができたが、今は毎週5タイトルというペースで発売されている状況である。しかもこれとは別に国産のボードゲームもこの数以上にリリースされている。どれほどの愛好者でも全てをフォローすることは難しいだろう。これだけ日本語版が発売されるようになったのは、ボードゲーム人口の増加と切り離せない。F.フリーゼ氏が「メタル、パンクロック、ヒップホップなど全部聴かないのと同じで、好きなものにフォーカスすればいいんだ(『ボードゲームジャーナリストが、行く!!』)」というように、取捨選択してとことん自分の趣味に走ることができる。
ただ、選択肢過多効果でボードゲーム自体から遠ざかる人や、どれを選んでも満足度が高くない人も出るかもしれない。またパレートの法則で一部の売れるゲームと大部分の売れないゲームにはっきり分かれてしまうと、売れ残りのリスクも高まる。数多のボードゲームの中から各自にぴったりの一作が見つかるよう、レビューや評価などの情報だけでなく、細やかなおすすめの仕方を模索する必要もありそうだ。