コロナ禍の中、在宅者が多いことを活かしていつも以上にいろいろなグループでテストを行い、ビデオチャットを利用して情報を収集し議論を重ねてきたというドイツ年間ゲーム大賞。ドイツでもすごもり生活での娯楽としてボードゲームが注目されており、「これまでで最も重要な年のひとつ」とH.シュラーパーズ氏は語る。今回の発表は代表の2人がFacebookビデオを使ってオンライン配信を行った。
メインである年間大賞(赤)にノミネートされたのは、クニツィアのタイル配置レガシーゲーム『マイシティ』、ローゼンベルクのタイル配置パズルゲーム『ノヴァルナ』、オブジェを並べてお題を表現する『ピクチャーズ』。『アズール』が大賞に選ばれた一昨年と同様、全てドイツ語圏のデザイナー作品が選ばれている。推薦リストには日本発のボードゲーム『リトルタウンビルダーズ』が入った。
経験者向けであるエキスパートゲーム大賞(灰色)のノミネートには、フリップ&ライトのパズルゲーム『カートグラファー』、協力トリックテイキングゲーム『ザ・クルー』、二者択一でストーリーが進行する『キングスジレンマ』の3タイトル、キッズゲーム大賞(青)には、色に反応する『フォトフィッシュ』、ハリネズミのレースゲーム『スピーディロール』、無言協力ゲーム『ぼくたちロボット』がノミネートされた。
今年の特徴として、「どの部門にもレガシー系の作品が1タイトルずつ入っている」とシュラーパーズ氏。レガシー系とは、コンポーネントに不可逆的な改変(シールを貼る、ハサミで切る、書き込むなど)を加えるゲーム群を指す。一方、「ダイスは重要ではない」としてダイスを使った作品は入っていない。また、「相手がいないときのために1人でもプレイできるよう」、ソロルールが入ったゲームが4タイトルある。
3部門にノミネートされた9タイトルのうち、未発売も含めて日本語版が制作されているのは『ノヴァルナ』と『ザ・クルー』の2タイトル。推薦リストでは『ドラフトザウルス』、『キッチンラッシュ』、『アンダーウォーターシティーズ』、『レス・アルカナ』、『西フランク王国の聖騎士』、『スライドクエスト』、『ゾンビキッズ』がある。
【年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)ノミネート】
マイシティ(My City)
ゲームデザイン・R.クニツィア、イラスト・M.メンツェル
出版社・コスモス、2~4人用、10歳以上、30分
ノヴァルナ(Nova Luna)
ゲームデザイン・U.ローゼンベルク&C.ファン・モーセル
イラスト・L.ジークモン、出版社・シュピールヴィーゼ出版+ペガサス
1~4人用、8歳以上、30分
ピクチャーズ(Pictures)
ゲームデザイン・D.シュテール&C.シュテール
イラスト・D.マイヤー、出版社・PD出版
3~5人用、8歳以上、20~30分
推薦リスト:ドラフトザウルス、森のキツネ、キッチンラッシュ、リトルタウンビルダーズ、スパイシー、カラーブレイン
【年間エキスパートゲーム大賞(Kennerspiel des Jahres)ノミネート】
カートグラファー(Der Kartograph)
ゲームデザイン・J.アダン、イラスト・L.リベーロ
出版社・ペガサスシュピーレ
1~8人用、10歳以上、30~45分
ザ・クルー(Die Crew)
ゲームデザイン・T.ジング、イラスト・M.アームブルスター
出版社・コスモス
3~5人用、10歳以上、20分
キングスジレンマ(The King’s Dilemma)
ゲームデザイン・L.シルバ&H.アック&C.ブレッリ
イラスト・G.バローニ、出版社・ホリブルギルド+ハイデルベアゲームズ
4~5人用、14歳以上、45~60分
推薦リスト:アンダーウォーターシティーズ、レス・アルカナ、西フランク王国の聖騎士
【年間キッズゲーム大賞(Kinderspiel des Jahres)ノミネート】
フォトフィッシュ(Foto Fish)
ゲームデザイン・M.カラウフ、イラスト・?、出版社・ロジス
2~4人用、4歳以上、15~20分
スピーディロール(Speedy Roll)
ゲームデザイン・U.スリンスカス、イラスト・I.ペチェンキナ
出版社・ピアトニク、1~4人用、4歳以上、20~25分
ぼくたちロボット(Wir sind die Roboter)
ゲームデザイン・R.シュタウペ、イラスト・O.フロンデンライヒ
出版社・ニュルンベルガーシュピールカルテン出版
2~6人用、5歳以上、15分
推薦リスト:ゴースロー!、ズーラン、マジックスクール、パズルメモ、幸せなハンス、スライドクエスト、ゾンビキッズ
・Spiel des Jahres e.V.: Die Nominierten 2020