壁の向こうの大惨劇
立体ボードは壁で区切られており、各プレイヤーは自分の区画しか見えないようになっている。それぞれランダムに配られたキャラクターのコマ(自分)と、出現カードで指示されたところにゾンビコマを配置してスタート。「いきなりピンチです!」
毎ラウンドはじめに出現カードを引いて、その番号の部屋の前にゾンビや生存者が登場する。そして時計回りにプレイヤーのアクション。3アクションポイントを使って、移動や探索、武器の使用などを行う。ゾンビから逃げつつ、脱出に必要なアイテムや武器を探すのが基本。ビルから脱出するには、まず全員分の「ワクチン」が必要で、さらに「通信機」と「バッテリー」をもって屋上に行くか(ヘリコプターで脱出)、「発煙筒」をもって出口に行くかしなければならない。
これらのアイテムは、探索のアクションを行い、対応するフロアの山札から引いてくる。しかし山札の中には危険なカードも入っているので、のんびり引いてばかりもいられない。ゾンビ出現、火災、崩落・・・比較的安全なところにいるプレイヤーを探して引いてもらうということが大切だ。
全員が手番を終えると、ゾンビが襲ってくる。ゾンビはプレイヤーや生存者に向かって近づいてくるという習性がある。ただしプレイヤーと生存者のどちらもいる場合は、生存者のほうを優先する。良心が咎めないこともないが、生存者をおとりにして逃げよう。ゾンビに追いつかれると、生存者はゾンビになり、プレイヤーはダメージを食らう。「ごめん、俺の代わりに食われて!」「ひでえ」
ここまで終えたら次のラウンドへ。必要なアイテムを集めて脱出できれば勝利(その場合は、始めに配られた小目的カードの得点と助けだした生存者の合計で勝者を決める)。その前に誰かが1人でも死んでしまうか、出現カードの山札が2回なくなったら負けとなる。
4人プレイで50分ほど。「ワクチン2枚取っちゃった」「じゃあ俺にくれ」「何番の部屋?」・・・そう、アイテムの受け渡しは、決まった部屋でしかできないのだ。自分が行きやすい部屋が、相手も行きやすいとは限らない。「そっちには火事で行けません!」「じゃあ下の階に行く!」「ラジャー!」ゾンビがどんどん増えてきたが、ショットガンと散弾で蹴散らして屋上へ。無事にアイテムが揃いヘリコプターでの脱出に成功した。ゲームクリアに精一杯で、小目的カードの達成まで気が回らず。
お互い何をやっているか分からないのが心細いが、それぞれに抱えている困難な状況で、話し合いでどう優先順位をつけていくかが面白い。
ゾンビタワー3D
川上亮、宮野華也/cosaic(2015年)
3~4人用/10歳以上/45~60分