えっ、何で私がチーズもらえるの?!
円形に並んだチーズカードに、手札から表や裏にしてカードを置いていき、全部置き終わったところで、それぞれのチーズを誰のネズミが獲得できたか判明する。中にはネコに捕まったり、そのネコがイヌに捕まったり、たいへんドラマチックな展開が待っている。無事にチーズを食べられたネズミと、ネコが捕まえたネズミ、イヌが捕まえたネコが得点になり、得点の多い人が勝ち。
チーズとネズミはドイツゲームに頻出のテーマだが、このゲームはカードの出し方が独特だ。自分の番には手札から3枚カードを出せるが、1枚目はいずれかのチーズの前の列に裏にして、2枚目と3枚目はそこから時計回りにとなりの列に表にして出す(表にするところでも、裏にして出せるカードあり)。
基本的に前にいるネズミからチーズを食べられるので、カードが少ない列か、チーズの多い列を狙ったほうがよいが、そういう列はすぐ長い行列ができる。それぞれの列に応じてイヌ、ネコ、ネズミのどれを出すか、裏にして出せる最初の列をどこにするかが悩みどころだ。
また、自分の番にはカードを3枚出すか、自分の山札からカードを3枚引くかのどちらかしかできない。手札は6枚しかもてないが、6枚まで貯めて選択肢を増やしてから出すか、3枚になったところで早い者勝ちでいくかも悩ましい。
このようにカードの選択、カードを出す列の選択、さらに引くか出すかの選択があり、短時間ゲームながら唸らせられる。とはいえ非公開情報も多いので、「今、ネコ置いたでしょう?」「いやいや善良なネズミっすよ」などとカマをかけながらプレイできる気楽さもあり、会話も盛り上がる。
15分ほどすると、全員の山札がなくなり、カードが全て場に置き終わる。そこでいよいよオープンして得点計算だ。まずイヌは、前後1枚にネコがいれば捕獲。それからネコは前に向かって3匹ネズミを捕獲。こうして場がだいぶ片付いた後で、生き残ったネズミがチーズにありつける。まずは王様ネズミが列の一番前へ。そしてチーズカードに書かれた数字の枚数だけネズミがチーズを食べる。こうして捕獲した動物・食べたチーズを合計して、得点の多い人が勝ち。
5人プレイでも15分ほど。裏になっているカードが結構あるので、それを推理して対抗していく。終盤は超長い列ができて、その後ろに置いたってチーズにはありつけないだろうと思ったが、ふたを開けてびっくり。イヌやネコに荒らしまわられ、前のほうにいるネズミが全滅状態になって回ってくる棚からぼたもチーズ。中には順当な列もあるが、時折起こるどんでん返しに大ウケした。
最後の最後に結末が分かるので、それまでわくわく感がどんどん上昇していく作品。子どもと繰り返し遊ぶのにもよい。
Go da Cheese
林尚志/OKAZU Brand(2015年)
3~5人用/6歳以上/15分