スピンデレラ(Spinderella)

捕まりそうで捕まらない
スピンデレラ
上から降りてくるクモに捕まらないように、自分のアリ3匹をゴールまで進めるゲーム。2015年のドイツ年間キッズゲーム大賞を受賞した。2段になっているボードと、磁石を使ったギミックが子供心を誘う。作者は一風変わった作品で知られるフラガ。キッズゲームでも『ジャングルの秘宝』や『象のトランペット』など、記憶に残る作品を作っている。タイトルは「シンデレラ」と「シュピーネ(クモ)」を掛けあわせたもの。
下の段にはアリの巣があり、コースを通って果物のあるゴールを目指す。上の段には2匹のクモがおり、磁石と糸でもう1匹のクモ(スピンデレラちゃん)とつながっている。上の段の2匹に連動して、スピンデレラちゃんはアリを捕まえに行く。
自分の番にはダイスを3つ振る。緑のダイスでアリが出れば、白いダイスの数だけアリを進め、緑のダイスでクモが出れば、茶色いダイスの数だけクモ(上の段にいる2匹)を移動させる。
クモは1匹がスピンデレラちゃんの位置を、もう1匹が糸の長さを決めるというギミックになっている。狙ったアリをめがけてクモを降下させると、カチリ! 磁石でアリがクモに捕まるのだ。捕まってしまったアリはスタートへ。ほかのプレイヤーのアリを捕まえた人は、白いダイスの数だけアリを進めることができる。
アリは同じマスに入ると、来た順に積み重なっていく。『ウミガメの島』のようだが、下のアリは単に移動できない。その代わりクモが来たとき捕まるのは一番上だけ。クモに捕まるリスクを踏まえて、3匹のアリのどれを進めればよいか考えなければならない。
緑のダイスではもうひとつ、葉っぱの目があって、これが出ると切り株を移動できる。クモに捕まらないように自分のアリの上に切り株をのせるもよし、ゴール直前のほかのアリの上において足止めするもよし。切り株の上にアリがいれば一緒に移動するので、ゴール近くまでワープすることも可能だ(ただし切り株の上のアリはクモに捕まりやすいので注意が必要)。しかも葉っぱの場合は、アリかクモを移動することができる。葉っぱの目はとても嬉しい。
3匹のアリが最初にゴールした人の勝ち。「アリに捕まったクモはスタートへ」というルールで想像が付いたかもしれないが、大人だけ4人でやったら、当然足の引っ張り合いで30分かかった。こうなると、3匹同時にコースに出さず、1匹ずつ進めていったほうが確実である。最後は神尾さんの3匹目がゴール直前で捕まったすきに後ろから差して勝ち。
クモがアリを捕まえるかどうか(磁石にくっつくかどうか)が微妙なところがアナログの面白さだ。捕まるかと思ったらぎりぎりで踏ん張ったり、クモが揺れた弾みでとなりのマスのアリが捕まったりといったハプニングが楽しめた。
Spinderella
R.フラガ/ツォッホ出版(2015年)
2~4人用/6歳以上/20分
メビウスゲームズから発売予定

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