ビースティーバー(Beasty Bar)

命がけの行列並び
ビースティーバー
ラーメン屋、スーパーのレジ前、ゲームマーケットの開場待ちなど、我々人間は日々行列に並んでいる。割り込みは許されない。しかし動物が行列を作ったとしたらどうだろうか。順番を守って整然と並ぶとは、あまり考えられない。ワイルドに先頭を狙いそうだ。あるいは、前に並んでいる奴を食ってしまうかもしれない。
ほかの動物を蹴散らし、自分の動物をできるだけたくさんバーに送り込むカードゲーム。ライトゲームながらシュピール’14のスカウトアクションで9位に入って注目された(TGiWニュース)。作者、イラストレーター、出版社ともにドイツ。特殊能力炸裂系の作品である。
12の動物が登場し、強さを表す数字と、それぞれいろいろな能力をもっている。各自自分の色の動物12枚から4枚を引いてスタート。手番には、手札を1枚、バーの入口前に並べて、1枚補充する。次の人は、その後ろへ1枚。こうしてバーの入口に行列ができていく。
行列が5枚になったら、先頭の2枚がバーに入り、最後尾の1枚が列から追い出される。でも、5枚になる前に、動物が暴れ出してどんどん脱落していく。まさに弱肉強食、お酒どころではない。
例えばワニは、自分より数字の小さな動物を全部(捕食して?)脱落させ、その分だけ列の前に行く。ワニより強いのはカバとライオンしかいないので、一気に列がいなくなってしまう。それでは数字の強い動物がいいかというと、そうでもない。最弱のスカンクは、列に並んでいる動物のうち数字の大きい2頭を追い出す。
ほかにも、手番が終わるごとに1つずつ前にいくキリン、列の方向を前後逆にしてしまうアシカ、2枚になると先頭にいけるサル、ほかの動物の能力を使えるカメレオンなど、多彩な能力で列はどんどん変わっていく。バーに入れる動物はほんの一握り。タイミングを逃してはいけない。
全員がカードを使い切ったらゲーム終了で、バーに入った動物の数で勝敗を競う。
4人プレイで30分ほど。序盤はほかの人がどんな動物を出してくるか分からないので先は読めなかったが、だんだんと「もうワニはないはず」「スカンクは出たばかり」といったカウンティングでカードを出すようになった。2ゲーム目は上級者バリアントで、自分で4枚を選んで抜くルール。どの動物を残したか、ほかのプレイヤーは分からない。動物の使いやすさは1回ゲームを遊ぶと分かるので、ワニやスカンクなどの強烈な効果をもつ動物を入れたがるが、ちょっと変わった動物を入れておき、裏をかくことができる。
特殊効果はすべてアイコンで図示されており、言語依存はなく、また直感的に分かりやすいものばかり。スーツ姿の動物のイラストも楽しい。1枚出るたびに情勢が激しく変わり、その中で自分の動物が無事に生き残れるかハラハラドキドキするカードゲームだ。
Beasty Bar
S.クロス作/ツォッホ出版(2014年)
2~4人用/8歳以上/20分
メビウスゲームズ:ビースティーバー

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