八分帝国:伝説(Eight-Minute Empire: Legends)

ミニマリズム+α
8分間帝国:伝説
8分間帝国』の続編(以下、差異点を述べるので未読の方はリンク先からどうぞ)。基本的なゲームシステムを受け継ぎつつ、要素を加えてきた。ミニマリズムよりも、リプレイアビリティを優先したデザインとなっている。
まずボードが4枚に分かれており、毎回好きなように組み替えられるようになっている。各島はエリアの数が異なり、総数は前作より減った。そのため、コマを1個だけではなかなか単独1位が取れない。今回はつぶしあって誰も得点できないエリアが続出した。
海をわたるのに船が要らなくなったのも改良点である。3移動ポイントで、海をわたることができる。前作では船のカードが取れず島の外に出られないことがあったが、今度は1個でも海をわたって、新天地に都市を作り、そこで広げられる。
しかし一番の変更点は、セットコレクションから特殊能力になったところだろう。前作では、カードにいろいろな資源が描いてあり、同じ資源を集めるほど得点が増えるというものだったが、今回はその一部が、移動力を上げる、コマを増やす、海をわたる移動ポイントを減らすなどの特殊能力になった。これらはゲーム中ずっと有効で累積していくため、先に取っておくと有利だ。
セットコレクションの要素も失われたわけではない。指定された種類のカードを集めるとボーナスになるカードもある。また「エリクサー」を一番多く集めた人にはボーナスがあり、そちらでの最多争いの要素も加わった。
バリアントも充実。特に、最初から能力が異なる「リーダーカード」の存在は秀逸で、この能力を駆使した戦い方をすることで、プレイヤーカラーが生まれる。今回私が引いたリーダーカードは「盗賊王」で、ほかの人のコマを取り除くときに1金をもらえるという能力でお金を集めた。
特殊能力のために言語依存度が上がってしまったが(カードの種類がアイコンではなくカード名で分類される)、要素を加えて悩ましさを上げることに成功している。前作の魅力がミニマリズムだと思う人には余計な要素に感じられるかもしれないが、繰り返し遊ぶならばこちらのほうが遊びごたえがあるだろう。
Eight-Minute Empire: Legends
R.ローカット/レッドレイヴンゲームズ(2013年)
2~4人用/8歳以上/20~30分
ゲームストア・バネスト:8分間帝国:伝説

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