八分帝国(Eight-Minute Empire)

陣取りのミニマリズム
8分間帝国
B.フェデュッティの「日本のミニマリズム」でも言及された、アメリカのミニマルな陣取りゲーム。並んでいるカードから1枚を取って、そこに書いてあるアクションで、コマを配置したり移動したりする。最後に各エリアでコマの数が多い人が得点し、その得点を競う。セットコレクションの要素もあり、短時間ながら悩ましい。
場に並べられたカードは6枚。一番左のカードは無料で、右に行くほど高い。残ったカードを左に詰めて、右に補充するので、よいカードは多少お金を払っても取っておいたほうがよい。「最初にいいカードが一番左にあったらスタートプレイヤーが有利じゃないか」という心配は無用だ。スタートプレイヤーは握り競りで決められる。

カードのアクションはコマを配置する、コマを移動する、コマが海を渡る、都市を作る、敵の軍隊を取り除くの5種類。コマを配置できるのはスタート地点か都市だけなので、コマを早めに遠くまで移動して、そこに都市を作って、そこからまたコマを増やすという戦略が基本となる。
とはいえ、4人プレイの場合、各自カードを8枚取ったらゲーム終了。つまり8アクションしかない。その限られた中でうまく立ち回り、ほかのプレイヤーのいないエリアにコマを広げられるかが勝負だ。

最後は各エリアで単独1位を取っている人が得点するほか、大陸ごとに獲得エリアの多い人にボーナスがある。そして忘れていけないのが資源の得点。ゲーム中に獲得したカードには資源マークが付いており、同じ資源をたくさん集めるほど得点が高い。資源によって数に差があり、レアな資源はちょっと集めるだけで高得点が入るなど芸が細かい。

あまり望まないアクションでも資源のために選んだり、逆に集めていた資源をコマ配置の都合で諦めたりといろいろ考えることはある。集めている資源がほかの人と競合する場合はなおさらだ。こちらもほかのプレイヤーと競合しないプレイが求められる。
公称の8分で終わるには、4人の場合1手番15秒という計算になるが、上記のようにいろいろ考えるので、1分くらいかかる。それでも20~30分。陣取りゲームとしては破格の短時間だ。それでいて、競合を避けるための駆け引きがあちこちにあるので遊びごたえはたっぷりある。『エルグランデ』を遊びたいけれど時間があまりないという忙しいゲーム愛好者に。

Eight-Minute Empire
R.ローカット/レッドレイヴンゲームズ(2013年)
2~5人用/8歳以上/20~30分
ゲームストア・バネスト:8分間帝国

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