ボードゲームで社員研修プログラム、東京


人材育成・社員研修のコンサルティング会社ヒップスターゲートは今月から、ドイツのボードゲーム『フレスコ』を使った社員研修プログラムを始めた。民間企業の若手社員を対象に講師を派遣し、1日プログラムでPDCAと呼ばれる仕事の段取りを研修する。

PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の頭文字を取った経営用語。仕事の全体像が見えず、想定外の事態に対応できない傾向がある若手社員が成果をあげられるように、リスク回避や仕事の段取りを考える意識を育てるのが狙い。

ドイツゲーム賞を受賞し、日本語版も発売されている『フレスコ』は、画家となって大聖堂の天井を飾るフレスコ画を修復するボードゲーム。工房の職人たちは、早起きをさせればよい絵の具が手に入り、副業をさせれば収入が増えるが、厳しい労働をさせると、職人はやる気をなくして生産性が下がってしまう。充分な睡眠をとらせて、劇場へ気晴らしに連れて行くなど、職人の待遇にも気を付けなければならない。ゲーム全体を俯瞰で見る目と、適切に計画を立て直す判断力が求められる。

8時間のプログラムではルール説明の後1ゲーム行い、結果を分析。PDCAについて講義を受けた後、2ゲーム目に取り組む。最後に自分の仕事の段取りをチェックし、改善点を話し合うという流れ。ボードゲームを実際に遊ぶことにより、自分の仕事を複眼的に捉える意識と、目的達成に向けた効率的な仕事の段取りを向上させることを目指す。

同社では漫画『ブラックジャックによろしく』をモチーフにした組織コミュニケーションを学ぶゲームを自社開発し、4月からレンタルと販売を行なっているが、既存のボードゲームを教材にしたプログラムは今回が初。新しい試みとして注目される。

プレスリリースでは『フレスコ』が既存のボードゲームであることを明記していなかったが、多数のボードゲーム愛好者からの指摘により修正されるに至った。デザイナーの中村誠氏はこれを受けて、ボードゲームによる研修をプレゼンするカードゲームを発表した。

株式会社ヒップスターゲート:ボードゲームプログラム

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