エッセンのボードゲームメッセでは、ドライマギア、ハバ、ラベンスバーガーなどが出展する10番ホールに彼はいた。パートナーのK.カップラー(Kathi Kappler)さんも一緒である。ブースの中でゲームを説明しているのは、『ごきぶりポーカー』の作者であるJ.ツァイメ氏(フランス語圏の名前だが、ドイツに住んでいるのでゼメとは読まないそう)。「夕日のドライハーゼン」という出版社名である。
「ドライマギア(三人の魔術師)」という社名は、リュッティンガー社長とカップラー氏、そして同社のイラストを一手に引き受けるR.フォークト(Rolf ARVI Vogt)氏をとって名付けられた。「ドライハーゼン(三匹のうさぎ)」も同じ3人で、フォークト氏はドライマギアの仕事と掛け持ちしている。
当初は先述の通り、絵本を手がけていたが、今年初めてカードゲームを手がけ、4タイトルを発表した。『デア・イッセス(Der isses!)』は、リュッティンガー社長と縁の深い故A.ランドルフ氏の作品『ゼ・クエオ(Xe Queo!)』のリメイク。2人用の心理戦が楽しめる作品だ。『太陽と月(Sonne und Mond)』はJ.ツァイメの作品で、数字順にカードをプレイして5枚揃えるゲーム。相手の場に出して妨害することもできる。『ビンバン(Bim Bamm!)』はM.パルムとL.ツァッハの作品で、山札から引いたカードと同じ動物を、場札から探すキッズゲーム。そして『カルタ神経衰弱(Klatsch-Memo)』は、カードをめくって同じ絵が出たら両方をすばやく叩くキッズゲーム。めくったカードは外れても表にしたままにしておくので、緊張がどんどん高まる。
来年のニュルンベルク国際玩具見本市では、『チャオチャオ』の再版が予定されている。夕日が燃えて、日没は当分来なさそうな感じだ。
ドライハーゼンのリュッティンガー氏。イラストレーターなので、ゲームの説明を聞いても絵の素晴らしさばかり話したがる。