天の配列に陣取り
エッセン国際ゲーム祭で、デモプレイを一目で気に入った作品。星を表すガラスのコマを握って、テーブルの上から落とす。テーブルに散らばる星を「これがビッグバンです」…これだけでインパクト絶大である。しかし、その後に始まるゲームがアブストラクトだとは想像もつかなかった。ビッグバンでできた星雲間を宇宙飛行士を旅させて、エリアマジョリティーを取る。
自分の番にはまずサイコロを振る。これは手番の最後に、星雲が合併するか分割するかが決まる。これも状況を一変させるが、その前に、星に自分の所有マーカーを置く。
自分の所有マーカーを置くには、宇宙飛行士を別の星雲に移動して、移動先で空いている星に置く。移動元と移動先は同じ色の星がなければならない。後半は移動先がどんどん限られてくるので、よく吟味して選びたい。
ゲーム終了時に、この所有マーカーの状況によって得点を競う。その星雲にその色が1つしかなければ、その星雲の残りの星の数だけ得点。その色が2つあれば2点。3つ以上あれば、最も多く置いている人がその数だけ得点する。例えば、
青 緑 緑 赤 赤 赤
A B C B D D
という状況であれば、Aさんは青が1色しかないので、残りの星で5点。これが一番美味しい。緑は2つなので、BさんとCさんは2点ずつ、そして赤は3個でDさんがトップなので3点。どの星雲に行き、どの星に置くか考える。
そして場に流動性をもたらすのが、ダイスによる星雲の合併と分離。ダイス目が、最も小さい星雲2つの星の合計以上ならば合併(例えば1と2の星雲があって、3以上出れば合併)。最も小さい星雲が1つか2つで、それ以下のダイス目がでれば分離。たいていどちらかは起きる。
宇宙飛行士が居なければどの星雲を合併/分離するかは自由。これもまた考えさせられる。大得点だと思っていたところが分離されたり、その反対に大得点の星雲が合併で生まれたりと劇的だ。
大得点になる星雲はすぐに崩され、最後まで誰が勝っているか分からない状況だ。最後は1点2点の積み重ねとなり、1点差でtomokさんの勝利。見た目とは裏腹に、一手一手にものすごく頭を使うゲームだった。
Urknall: The Big Bang
A.ヘニング/ミュッケシュピーレ(2011年)
2〜4人用/8歳以上/20分
国内未発売