タヒチ(Tahiti)

真珠の宝庫を競り落とせ

近年S.ドーラと組んで新作を次々と発表しているリンデの初期作品。コンビを組んだカーラートは、ボードゲーム専門誌『フェアプレイ』の創刊メンバーである。真珠の採掘をテーマにした陣取りゲームで、オリジナリティの高い競りシステムが用いられている。
手番プレイヤーはダイスを振った後、そのダイスで船を進める権利を競りにかける。面白いのは、競り落したお金を受け取るのが最初にパスしたプレイヤーというところ。手番プレイヤーは最初にパスする権利があるが、あっさり降りれば安く買い叩かれてしまう恐れもある。
競り落とした人は、その目で船を進め、止まったマスに指示されたアルファベットの列に小舟タイルを置くか、指示された真珠(ビー玉)をもらえる。2回競り落として小舟タイルと真珠を両方集めると、いよいよ中央のタヒチ島周辺に真珠と小舟タイルを置ける。
持ち主を問わず同じ真珠の色がたくさんつながり、かつ周囲に空きマスが多いほど得点が上がる。ただし、得点を満額もらえるのはそのエリアで最も多く小舟タイルを置いていた人で、その他の人は半分しかもらえない。1個差が倍半分になる得点システムで、洋書が絡む競りは熱い。
ダイスは3分の2でブランクが出る。このとき、中央のマーカーがドルマークなら、真珠と小舟を置いてあるマスから収入が入る(銀行からの供給はこのときだけ)。一方、宝箱マークなら、所持金を宝箱に貯金することができる。貯金したお金はもう競りには使えないが、最後に得点。貯金し過ぎれば競りで勝てなくなるので非常に悩ましい。
高値で競り落とし、パスで回収するというメリハリのある手と、同じ色の真珠を徹底して集める作戦でkarokuさんが勝利。私は序盤の競りをけちったのにお金が回らずジリ貧に。金は天下の回りものなので、どんどん使って、どんどん回収するのが賢明だったようだ。
それぞれどのマスを狙っているのか考えながら、また自分の財布と相談して、競りで真っ先に降りるか、頑張って競り落とすか決めるのは悩ましく、とても面白かった。
Tahiti
R.z.リンデ、R.E.カーラート/フランニョス(1995年)
2〜4人用/12歳以上/60分
絶版・入手難

タヒチ(Tahiti)」に2件のコメント;

  1. おおタヒチ!巨大真珠!布ボード!
    降りるタイミング、貯金して確保か競りか、独特かつ分かりやすいシステム。あらためて、名作。イケている。また倉庫から引きずり出して店に並べねば。
    えーと、ラルフ・ツア・リンデ・・・・あ!あのおっしゃれな人か!

  2. フランニョスのボードは紙製と比べて高級感がありますが、色が地味で惹きつけられませんね。ゲーム自体も骨太すぎて日本人には付いていけないものが多かったのですが…このゲームはイイです!競りと陣取りが絶妙にかみあっています。リンデも、デザイナー買いをしたくなったのですが、MarinoやZankapfelなど、昔のものは超レアですね。

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