秋葉原のイエローサブマリン・RPGショップに新しくできたフリースペース。都内一等地にあるにも関わらず、今ひとつ利用者が少ないという噂。これを利用しない手はないと,康さんが呼びかけたところ、連鎖反応で人が集まり、ついには14名という人数にのぼりました。さらに会場で他のグループとも合流し、総勢20名もの大ゲーム大会となりました。
中にはゲームサイトを運営している方も少なくなく、まるでオフ会の様相。初対面も多かった中、すぐに溶けこめたのはまさにゲームという共通する趣味の力によるものです。ゲームが人と人を次々とつなげていく素晴らしさを、実感しました。
また、オリジナルゲームやゲーム書籍の話など、国内のゲームシーンを上意下達ではなく愛好者先導で変えていこうとする意欲的な取り組みが見られたことも、大きな収穫だったと思います。終わってからの打ち上げの楽しさは、感動的でさえありました。
プエルトリコ
プエルトリコ(Puerto Rico/A.Seyfarth/alea2002)
昨年のエッセンで試作品が発表されただけなのに大好評を博し、今年のニュルンベルクから発売されたばかりなのに国内で頻繁に紹介されているゲームです。作者は「マンハッタン」のザイファルト。内容はこちら。
7つの職業からどれを選ぶか、そして23の建物からどれを建てるか悩ましく、奥の深いゲームです。職業選択は他のプレイヤーに大利益を与えてしまうこともあり、他のプレイヤーの状況を考えながら選ばなくてはなりません。建物は数に限りがあり、効果的な組み合わせを考えながら建設していかなければなりません。特に職業選択のシステムは斬新に思われました。
参加者は康さん、鷹村ナクトさん、よ~さん、Yさん、そして私。「病院」+「工場」→大建物という王道で康さんがダントツ1位。序盤では「農地」+「採石場」、中盤では「商館」+「大きい市場」といった組み合わせも有効でしたが、「病院」+「工場」には勝りません。
ところで康さんのインスト時に隣から補足や訂正を入れていた方がいらっしゃいました。後で聞くとその方がかゆかゆさん。当サイトのゲームクイズ・カタン編でも綿密な助言を頂いたことがあったのですが、その精通ぶりはさすがです。かゆかゆさんも今回プエルトリコをプレイされていましたが、やはり「病院」+「工場」で1位だったそうです。そして2つある「病院」を買った2人のうち、どちらも1位をとれなかったというケースはないとのこと。とうもろこしで勝利点を細かく稼ぎまくるという戦法もあるそうですが、「病院」最強説は覆らないのでしょうか?康さんによると関西で新戦法が開発されたという話でしたが…。
さてこのゲームも、「アフリカ」と同様プエルトリコの歴史(リンクはプエルトリコ小史@ラテンアメリカの政治、Thanksto わんこさん)の暗部を学ぶきっかけにする必要があろうかと思います。このゲームは果たして残虐なゲームではないのかどうか、考え中です。
操り人形英語版(Citadel/B.Faidutti/FantasyFlight 2002)
Hammerさんの紹介によって、その全容が明らかになった操り人形英語版。新たに増えた10の職業は、1.暗殺者→魔女、2.泥棒→税収吏、3.魔法使い→ウィザード、4.国王→皇帝、5.伝道師→僧院長、6.商人→錬金術師、7.建築家→航海士、8.傭兵→外交官というように前作の職業にそれぞれ対応しており、効果も似通っています。この他に芸術家と女王という毛色の違う2つの職業があります。2つ程度を入れ替えるのが適当とされていますが、新職業を知るために今回は全部入れ替えてやってみました。
泥棒と魔法使いがいなくなると、お金や手札をいくら貯めても奪われる心配がなくなり、また魔女に指名された職業も通常の手番はできるので手が進みます。前作では暗殺者に殺されている間にお金もカードも全部奪われボロボロなんてこともありましたが、今回はよく言えば穏やか、悪く言えばヌルくなっていると思います。
Hammerさん、かゆかゆさん、Kさん、Yさん、私の5人でプレイ。組み合わせにもよりますが、
・ 魔女はすさまなくてよい
・ 皇帝はスタートプレイヤーが偏らなくてよい
・ 錬金術師を入れると緑マークが無意味になるのがちょっと…
・ 外交官にはルール不明点(交換の結果同じ建物になるのは可?/8枚建てた人から交換できるか?)がある
といった意見がありました。この結果私見ですが、魔女と皇帝の2つだけ入れるというのがおすすめです。
ニワトリのエサ場(Hick Hack in Gackelwack/S.Dorra/Zoch 2001)
昨年のエッセンで出ましたが「ラッツィア」のアレンジです。ルールはこちら。バッティングゲーム(他のプレイヤーと同じ選択をしていると損をしたり得をしたりするタイプのゲーム)ですが、
ギャンブラー→鳥
警察→キツネ
賭場→エサ場
賭金→エサ
というようにテーマが変わりました。ルールが簡単でお手軽です。警察の手入れにびくびくしながらこっそりカジノで儲けていた不健全アングラゲーム(それはそれで好きな方も)から、キツネさんの襲撃をかわしながらエサを食べる食物連鎖ゲームになり(ある意味残酷ですが)、子供でもわかりやすくなりました。さらには、ドリス・マテウスのイラストが美しく、絵柄を見ていても飽きません。エサの撒き方は、木のコマをつかみ取りしてこぶしからポロポロと一個ずつ落としていくといういかにもなやり方。
1回目は操り人形英語版と同じメンバーでプレイ。Kさんがキツネでうまくトリを食べて1位。2回目は坂本さん、のごさん、Mさん、のーべーさん、Tさん、Sさん、私の6人、最大人数でプレイしましたがSさんが1位。5,6人だと一斉バッティング時の興奮度が高いようです。他のプレイヤー次第なので勝利法は他のプレイヤーの心理を読むということになりそうですが、さりげなくカードのカウンティングも意味があります。
シュラウメン(Schraumen/U.Hostettler/FataMorgana 1992)
シュラウム人という謎の種族となって法律を読み上げながら杏を集めるゲーム。92年の大賞ノミネート、ゲーム賞5位の実績があります。
手番には法律を読み上げてそれを実行し、競りで補充するだけ。法律の巻物がなくなったときに杏が最も多いプレイヤーが勝ちです。
難しい手順はないのですが、法律が無茶苦茶です。「杏を全部交換する」「杏を全員に1つずつあげる」など、さっきまでダントツで1位だと思っていると突然没落するなど、杏の数はあっという間に変わっていきます。「手札を全部交換する」などがあり、手札も安全ではありません。その上「手札が全部なくなっていたら勝ち」「ゲーム終了時に杏が0だったら勝ち」など終了条件・勝利条件を変えてしまう法律があったりして、ひとつ法律が読み上げられる度に大騒ぎ。ぐらんぐらんしている土台の上で一瞬一瞬を戦っていくという感じです。
バカゲーといってしまえばそれまでですが、インストをお願いしたMさんのお陰でとても盛り上がりました。鷹村さん、Hammerさん、かゆかゆさん、Mさん、私の5人でプレイし、鷹村さんが杏12個で1位。「涅槃寂静」を狙って杏を0にしようと減らしましたが、2個だけ残ってしまいました。
ゴーダ!ゴーダ!(Gouda! Gouda!/F.Moyersoen/Eurogames2002)
今年ユーロゲームズ・デカルトから出たばかりのネズミのレースゲーム。訳なしでも、ルールが2ページだけなのですぐにできました。
手番にはマスを指定し、そのマスにいるネズミの数だけサイコロを振ります。緑なら進め、赤は戻れ、黄色はそのまま。どれでも好きなネズミを進めたり戻したりできます。自分のネズミを進め、敵のネズミを戻しましょう。一番最初にゴールに着いたネズミが、チーズをゲットできます。
サイコロで緑・赤・黄が出る確率がそれぞれ1:1:1なので、一進一退を繰り返し、なかなか前には進めません。一応戦略としては、同じマスにネズミをためて、振れるサイコロの数を増やし、緑が出る可能性を高めるというのがあり、従って他のプレイヤーのネズミは同じマスにならないよう散らしておくというのがあるとおもいますが、それも所詮はサイコロ運次第。箱に書かれた「プレイ時間:45分」というのをはじめは「そんなにかかる訳ないよー」と言っていたのですが、結局それくらいはかかってしまいました。45分間サイコロ振りっぱなし。よ~さん、のごさん、のーべーさん、Hammerさん、私の5人でプレイし、ネズミを組織的に上げていったHammerさんの勝利。
エクストラ(Exxtra/R.Knizia/Amigo 1998)
クニツィア作のダイススゴロクゲーム。進み方は2通りで、ゾロ目が出た場合と、自分がビッドしたサイコロの点数が破られなかった場合です。ゾロ目は運次第であるとして、ビッドがこのゲームのポイントになります。2つのサイコロを振って大きい方の数を十の位、小さい方の数を一の位とみなします。サイコロは1~6ではなく、×(1投目だけは0とみなす)や7もあって最高は76、最低は10となります。大き目の数が出たら、ボード中央の1~5のサイコロ置き場の好きなところにビッドします。以降1周の間に他のプレイヤーがそれよりも大きい数をビッドすると、自分のサイコロは取り除かれてしまいます。その際1は取り除かれにくく、5は取り除かれやすくなっています。安全に1や2のところに置いておくか、それとも一か八か5に置くか。
さらにダイスは振りなおしができます。気に入らない目だったら何回でも振りなおせるのですが、その際「×」が出てしまうとコマを戻して手番が終了してしまいます。ダイスゲームらしいギャンブルの醍醐味がよく味わえます。
Hammerさん、のーべーさん、坂本さん、Tさん、私の5名でプレイし、のーべーさんが淡々と高得点を出して勝利。一度負け始めるとダイスの振り直しを何度もやってしまい、×が出てさらに負けが込むという具合で、勝気満々では勝てないあたり、クニツィアらしいジレンマが潜んでいるといえるでしょう。
ドン(Don/M.Schacht/Queen 2001)
マフィアとなって街区を占領していくゲームなんですが、テーマはそこそこにして、ひねりの効いた競りゲームです。内容はこちら。人数が増えると貧富の差が拡大します。街区を再販するという方法もあるのですが、2人でお金をやり取りしているケースが続くと、残りの人は取り残されるように感じました。同じメンバーで何度か遊んでいくと、もっと駆け引きが出るのかもしれません。のごさん、のーべーさん、Mさん、Tさん、Sさん、私の6人でプレイし、序盤にいい値を抑えたTさんがダントツで1位。