日本ボードゲーム大賞、宝石商ほか
入門者部門に輝いたのはコロレット。シンプルなルールながらクニツィアテイストの再来とも評される悩ましく楽しいゲーム。フリーク部門は宝石商。幻の傑作バザリのリメイクでバッティングの妙を楽しむことができます。国産ゲーム部門はアップル・トゥ・アップル。長らく待望されていた日本語版が発売され、一般層に浸透しました。子どもゲーム部門はねことねずみの大レース。ゆうもあのゲーム会などで好評の新作です。
いずれも海外で受賞しているゲームですが、宝石商のドイツゲーム賞10位という成績からすると、若干の趣向の差が現れています。第1回と並んで日本人に好まれる要素を考えるのにも好材料となっています。(ゆうもあ)
【日本ボードゲーム大賞2003】
海外ゲーム・入門者部門:コロレット(Coloretto/M.Schacht/Abacus)
海外ゲーム・フリーク部門:宝石商(Edel, Stein & Reich/R.Staupe/alea)
国産ゲーム部門:アップル・トゥ・アップル(Apples to Apples/M.Kirby & M.A.Osterhaus /ビバリー)
子どもゲーム部門:ねことねずみの大レース(Viva Topo!/M.Ludwig/Selecta)
都市部と非都市部
オーストリアのゲーム事情についてゲーム王国(Reich der Spiele)にレポート。100万人クラスの地域が多いドイツに比べて、オーストリアはウィーン350万人を除くとあとは数万人程度の街しかない。
「だから“コアな大学生的ゲーム生活”ができるところもわずかしかない。その代わりに家族で遊ぶことが非常に多くなる。ドイツでは典型的な、定期的にゲーム会を行う「フリーク」や「ゲームマニア」はオーストリアの場合とても、とても少ない。」
(http://www.reich-der-spiele.de/specials/SpielenInOesterreich.php)
日本でも、定期的なゲーム会を大々的に開催できるようなところは東京圏、名古屋、大阪、京都、札幌、仙台などの大都市に限られている。サークルがあるのも多くの場合県庁所在地どまり。それ以外の地域では、サークルといっても近所の仲間を何とかかき集めてというのが関の山だ。
人口数万人未満のいわゆる田舎で、ゲーム会を行うには都市部とは全く違ったノウハウが必要になるのではないか。スタッフだってそう多くは確保できない。興味のある人だけどうぞというのでは成り立たつまい。子ども会や老人会など、地域活動とのさまざまな連携が模索されなければならないだろう。