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インドの算数スクラブル

1月28日から3夜連続で放送されたNHKスペシャル「インドの衝撃」の第1回「わき上がる頭脳パワー」で、小学生の子どもが家庭で算数スクラブルを遊ぶ姿が映った。
算数スクラブルとは、15×15のマスにアルファベットのコマを並べて英単語を作るワードゲーム『スクラブル』のアルファベットを、数字と+−×÷=にしたものである。「4×3=5+7」というようにタイルを並べ、長くつなげるほど得点が高い。
インドでは「Scrabble Math Magic」というタイトルで販売されているが、少し調べたところ日本はもとよりボードゲーム大国のドイツや、スクラブルの発祥の地アメリカでも販売されていないようだ。スクラブルの販売元であるマテル社のページにも載っていない。簡易版をネットでダウンロードして遊ぶことができるが、実際やってみると思いのほか頭を使う。
日本だったら多くの子どもが顔を背けそうなこのゲームを、親が押し付けているわけでもなく、家族団らんしながら遊ぶのが日課だという小学生。まだ掛け算も習っていない1年生の妹もこのゲームで姉にもまれて計算を覚えている。このゲームで算数を学ぼうというのではなく、算数が好きだからこのゲームを遊ぶというところがすごい。
ものがない時代に元手のかからない頭脳で立国をめざし、特に数学に重きを置いてきたインドの精神は脈々と受け継がれている。九九は二桁まで覚えるというインドと、理系離れが進む日本。経済大国の座を譲るのは近い将来かもしれない。インドに負けないように、ボードゲーム好きな子どもを育てよう!

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大学でボードゲーム

デジタルゲームを学ぶ大学は数あれど、ボードゲームやカードゲームなどのアナログゲームを取り上げている大学は極めて少ない。しかし、デジタルゲームにはない対人コミュニケーションやライブ感で、教材として優れた価値があると思う。
1番目は授業内容の理解を深める教材。多摩大学のコンビニゲーム大会では、コンビニエンスストアの経営をシミュレートしたゲームを競うことで経営に対する理解を深めている。ジレンマゲームからゲーム理論を学んだり、推理ゲームから論理学(帰納推論)を学んだりする方向性も考えられる。
2番目は子ども向けの教材開発の一例。文教大学の歴史カードゲームは社会科の教材であるが、将来教員になるであろう学生が積極的に教材開発に関わっており、学校現場でもボードゲームの利用が広がっていくことを期待させる。社会科だけでなく、国語や英語でワードゲームを、算数で推理ゲーム(実際『アルゴ』がそうである)を使うなどという方法もあるだろう。
3番目は学生のスキルを高めるための教材。東京情報大学では、ボードゲームをプレゼンするという授業を行っているのは、コンピュータの分野ではプレゼン能力が非常に重要になるからであろう。この方向性では営業スキルを身につける授業で交渉ゲームを用いる方法なども考えられる(えげつない交渉ばかり覚えられても困るだろうが)。
実際にゲームをやってもらうためにはゼミ規模の少人数クラスであることが前提となり、マス授業では扱いにくい代物だが、もっと大学で盛んに取り上げてほしいものである。(ほかにも大学でこんな使い方をしているよという情報がありましたらお寄せ下さい。)
コンビニゲーム大会(多摩大学)
経営情報学部経営情報学科講師で経営コンサルタントの中川理氏がゼミでビジネスゲームを制作、学内生を対象に大会を開催。
「コンビニエンスストアの経営をシミュレートしたビジネスゲームを通じて、「経営能力、コミュニケーション能力、意思決定能力」を競います。」
2007年1月16日の朝日新聞夕刊「就職力」にて紹介された。
歴史カードゲーム制作(文教大学)
教育学部教育専攻科教授の中村修也氏が社会科の教材として考案。『遊戯王』カードゲームをモデルにし、勤皇側と幕府側に分かれて幕末を戦うというテーマ。学生がイラストを手がけ、コナミに許可を得て1000部製作、越谷市内の小中学校に配布した。暗記中心敬遠されがちな社会科が楽しくなると反響が大きく現在再版を検討中。幕末以外のテーマも含めて、商品化される可能性も。
asahi.com、FM Nack5などで取り上げられた。
ボードゲームのプレゼンテーション(東京情報大学)
環境情報学科講師の大城正典氏が1年生対象のゼミでボードゲームを実際に遊んで、プレゼンテーションするという授業を行っている。主な目的はコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力の向上で、戦略を分かりやすく発表することがポイント。
このほかに、授業におそらく関係なく月1回くらいのペースでボードゲームの会を開催しているという。