子供が選んだベストゲーム2009
キッズゲームは大人の目ではなく子供自身に選ばせよう―そんなコンセプトをもったドイツのプロジェクト「キッズゲームエクスパート(Kinderspielexperten)」が今年のベストゲームを選んだ。
投票に参加したのは5〜13歳の子供2168名で、4076票の評価が寄せられた。結果は以下の通りで、ドイツ年間キッズゲーム大賞の大賞作『魔法のラビリンス』と、ノミネート作『島が見えた』が2カテゴリーのそれぞれ1位に選ばれた。10月8日にダルムシュタットで開かれる記者会見で正式発表される。
【キッズゲームエクスパート賞(Kinderspielexperten Testsieger)2009】
カテゴリーI(5〜9歳)
1位:島が見えた
2位:ネズミのクラウスが世界を発見する(Klaus die Maus entdeckt die Welt / フッフ&フレンズ)
3位:ごちそう畑(Curli Kuller / セレクタ)
カテゴリーII(10〜13歳)
1位:魔法のラビリンス
2位:レターゲット(Getta Letter / ウィニングムーヴズ)
3位:石器時代(Steinzeit / ピアトニク)
(リンク先:アマゾンまたはレビューサイト)
・Kinderspielexperten:Die Siegerspiele 2009 stehen fest
カステイェールス(Castellers)
スペインのカタルーニャ州には人間の塔を組む祭がある。これをスペインのメーカーがクニツィアに委嘱してゲームにしたのがこの作品だ。結構大きな木のコマが高く積まれていく様子は圧巻。でもバランスゲームではなく、ジレンマあふれる配置ゲームである。
カステイェールスとはお城のことで、同じ色の服を着た人がチームとなって高い塔を作る。8段にも9段にもなり、1番上に子供が上って手を上げると完成するとされている。
ゲームでも、同じ色のコマで塔を組み立てる。ただし、コマには番号が振ってあって、小さい順に積まなければならない。もう積めないとなったら、塔を広げるか、新たに塔を作ることになる。でも塔は増えれば増えるほど失点も多くなる。色を絞り込んで、計画的に高い塔を組み立てるのが勝敗のカギになる。このシステム、すでにお気づきかもしれないが『ロストシティ』や『ケルト』と同じである。
違うのは、各自のストックが公開で、ほかの人とコマを交換できること。それからジョーカーを引いたら、前に配置したコマが1つ落ちてきてしまうこと。この2つのルールで、ほかの人が何色の塔を作っているのかよく注意を払わなければならなくなった。出来上がった塔の色は非公開だが、自分と同じ色の塔を作っている人は覚えておきたい。
規定の高さと大きさを備える塔ができたら終了で、使ったコマの数だけ得点、塔の土台の数だけ失点。一番高い塔と、一番広い塔にはボーナスもある。
ストックを増やしてじっくり作っていこうと思ったが、ゲームは思ったより早く進行した。ふうかさんとkarokuさんが終了条件を満たしそうになって、慌てて積み始めたが時すでに遅し。トップ賞も取れず。
ストックを増やせば選択肢が広がるがスピードが落ちる。来たものから積んでいけばそのうち置ききれなくなって失点ばかりが増える。適度に交換し、場の状況を読んで積むか待つかを考えたほうがよさそうだ。軽いのに、奥が深い。
Castellers
R.クニツィア作/デヴィル(2008)
2〜4人用/8歳以上/30分