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GameLink 3号発売

シュート・ザ・ムーン(代表:池田康隆氏)は20日、ボードゲーム専門誌『GameLink(ゲームリンク)』3号を発売した。1号、2号にも増して充実の紙面構成に豪華付録ゲームがついて3,780円。取り扱いはボードゲーム専門店など。
『GameLink』は年4回刊行されるボードゲーム専門情報誌で、予定より1ヶ月遅れの4月号。「緊急特集」は今年3月に開かれたフランスのカンヌ・ゲームフェスティバルを、フランス年間ゲーム大賞にノミネートされた池田氏が自ら取材。渾身のレポートで今まであまり知られていなかったフランスのゲーム事情が明らかにされる。
ほかに24タイトルの新作紹介、『オートモービル』攻略、伝統ゲーム紹介、インストのコツ、リプレイコミック、キッズゲームワールド、植木屋は語らない(変わったゲームの紹介)、最新ゲーム事情(拙著)など連載もさらに充実。F.フリーゼ、L.コロヴィーニがベストゲームを投稿している。
付録ゲームは鈴木銀一郎氏の『ウルフレンド・サーガ』。「モンスターメーカー・ボードゲーム」というサブタイトルが付いており、キャラクターを使ってモンスターを倒し、自分の街を建設する。フルカラーの豪華マップと大量のチップがついている。なお驚くべきことに、次回の付録ゲームはR.クニツィア氏のデザインが予定されている。
また今回から、読者アンケートはウェブにて行われている。プレゼントも用意されているので、お読みになった方は先日紹介したボードゲーム全般とともに回答してみよう。
GameLink公式サイト:第3号5月20日発売

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ポンテ ヴェッキオ(Ponte Vecchio)

高くふっかけるべきお
ポンテ・ヴェッキオ
イタリア・フィレンツェにあるヴェッキオ橋には、橋の上に宝飾店が建ち並ぶ。ここにお店を出し、通りかかったお金持ちに立ち寄ってもらって、お金を儲けるゲーム。デザイナー、メーカーともにイタリアである。この橋への思い入れの強さからか、橋もお店も立体の造形である。
さて、始めはみんな1軒ずつしかお店を持っていない。毎ラウンドお店の建設と、金持ちの移動を交互に行う。まず競りをして勝った人が、その分のお金を払って店を建てる。それからカードで入札して、一番安いカードを出した人が、金持ちを移動する。金持ちが止まったところにあるお店は、移動した人が出したカードだけ収入を得る。使ったカードは捨て札にして、また競りで建設、入札で移動。これを橋が店で埋め尽くされるまで繰り返す。
金持ちは前に向かって何マスでも移動できる。全部の店をスキップして端から端へと駆け抜けてしまってもよい。もちろん、移動する人が自分の店の前に止めるわけだ。
この移動にはちょっとしたパターンがあって、橋の3分の1の両端まで来ると、移動した人は向きを変えてもよいというルールがある。向きを変えないと、端のほうにある店はチャンス。でも向きを変えれば、端のほうにある店は立ち寄ってもらえない。こうして中央の店はいつも立ち寄ってもらいやすく、端にいくほど一か八かになる。
それにマスの両側に店を建てられるので、誰と相乗りするかも重要。このように店を建てる場所はよく考えないといけない。
金持ちを移動する権利は、交渉してほかの人に売ることができる。高額な入札をした人は、移動できればその額の収入が入るから、高く買ってくれる。相乗りしているとおこぼれをもらえることも。お店の並びを見て、金持ちがどこに止まりそうか考え、自他共にほどほどに儲かるよう金額を決める。もっとも、裏切って別のお店に止まるかもしれないが。
5人でプレイ。お店の競りが高止まりしていて買うことができないまま終盤へ。その代わりバッティングの読みが冴え、権利を売って収入を得ることができた。対照的にお金を費やしてがんがんお店を建てたますみさん。途中で大金を手にし、それを元手にさらにお店を建てる。相乗りしまくりで、誰が収入を得ても手に入るような状況である。最後にダメ押しの収入でダントツ1位。おこぼればかりの私だったが、お店を建てるのにお金を使わなかった分で2位。
お金がオープンなので、足元を見まくった競りや交渉が濃密である。シンプルな流れだが、お店が1軒増えるたびに考えることも増えて、重量級のゲーム感があった。
Ponte Vecchio
S.アルベルタレッリ/egシュピーレ(1996年)
3〜5人用/12歳以上/90分
(絶版・入手難)
これが本物のヴェッキオ橋(Wikipediaより)。紀元前、エトルリア人の時代からあったと言われる。現在の橋は1345年に再建されたもので、それでももう600年以上経っている。