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日本ボードゲーム大賞2010に『キャット&チョコレート』

NPO法人ゆうもあは本日、2010年の日本ボードゲーム大賞を発表した。全国412名の愛好者による投票で1位に選ばれたのは『キャット&チョコレート』。国産・海外産に限定しない投票になって3年目、初めて国産ゲームが選ばれたほか、上位を日本語版が独占した。
『キャット&チョコレート』は、幽霊屋敷に迷い込んだプレイヤーが、手札のアイテムカードを駆使してアクシデントを回避するカードゲーム。タイトルのように「ネコ」や「チョコレート」で絶体絶命のピンチを脱出するには、自由な発想とプレゼンテーション力が試される。というのも、回避できたかどうかを判断するのはほかのプレイヤーだからだ。会話と笑いが盛り上がるコミュニケーションゲームである。
TGW:キャット&チョコレート
Amazon.co.jp:キャット&チョコレート
2位の『電力会社』とは80ポイント以上の大差がついた。これまでの国産ゲームでは2009年が『どうぶつしょうぎ』の5位、2008年が『お先に失礼しま〜す』(オリジナルはフランス)の8位が最高。
2位以下は『電力会社』『レースフォーザギャラクシー』『ル・アーブル』『サンダーストーン』『ギフトトラップ』と海外ゲームの日本語版が並んだ。これによって、日本語訳付き海外ゲームは『フレスコ』の7位が最高となっている。
投票部門と並んで発表された選考部門の「ゆうもあ賞」は、『インジーニアス』『ギフトトラップ』『ドラゴンディエゴ』の3タイトルがノミネートされたが、今年は該当なしになっている。
【日本ボードゲーム大賞2010】
1位:キャット&チョコレート(川上亮 / Qvinta Essentia)350pt.
2位:電力会社※(F.フリーゼ / アークライト)269pt.
3位:レース・フォー・ザ・ギャラクシー※(T.リーマン / ホビージャパン)260pt.
4位:ル・アーブル※(U.ローゼンベルク / ホビージャパン)193pt.
5位:サンダーストーン※(M.エリオット / アークライト)169pt.
6位:ギフトトラップ※(N.ケレット / アークライト)
7位:フレスコ(Fresco / M.ルスコウスキ、M.ズーセルベック / クイーンゲームズ)
8位:ウボンゴ3D(Ubongo 3D / G.レヒトマン / コスモス)
9位:倉庫の街(Die Speicherstadt / S.フェルト / エガートシュピーレ)
10位:ばるば★ろっさ(吉澤淳郎 / アークライト)
【同ゆうもあ賞】
ノミネート:インジーニアス※(R.クニツィア / ホビージャパン)
  〃  :ギフトトラップ※(N.ケレット / アークライト)
  〃  :ドラゴンディエゴ(Diego Drachenzahn / M.ルートヴィヒ / ハバ)
※日本語版
世界のボードゲームを広める会ゆうもあ:日本ボードゲーム大賞2010結果発表!
〃:日本ボードゲーム大賞2010 ゆうもあ賞

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ゲップ(Burp)

崩れない橋を作る工夫

崩れない橋を作って、より奥にある果物を取るリアル建設ゲーム。もう20年近く前の作品で、同じ時期に同じメーカーから発売された『石器時代』とともに、本物の石が入っているゲームとして記憶される。
はじめに各自、手持ちの板と石で橋を組み立てる。制限時間は2分。橋の先端にコマを置いて、崩れないくらいの強度が必要となるが、コマを置くのは後から。重心のバランスを工夫して、できるだけ頑丈に作っておきたい。
橋が出来上がったら、お互いの出来栄えを見てコマを置く。コマは棍棒と釣竿と手があり、崩れなさそうな橋や、石切場、伐採所に裏にしておく。置く場所と組み合わせによって、新しい石や板を取ったり、釣った魚や橋の石を横取りしたり、横取りを防いだりできる。バッティングしないように裏をかいていく。
コマをオープンして、いよいよメインイベントの釣りが始まる。その前に、ボードのアームを回転して盤上の果物を一列にまとめる。回せば回すほど奥にいくが、中には手前でひっかかかるものもあるアナログ感がいい。
橋の先端にそろりとコマを置く。崩れなければ、そのコマより手前にある果物をゲット。湖は3段階に分かれていて、奥に行くほど果物がたくさんある。でもそこまで橋を伸ばすのは、石と板がたくさんあっても至難の業だ。
手に入れた果物は、決まった組み合わせで進化タイルに交換でき、ちょっとした特殊能力も得られる。進化タイルに交換した果物の数が最初に10枚に達した人の勝ち。
一番奥まで届く橋がなかなか作れず、何ラウンドか停滞したが私は諦めなかった。毎回崩れるので果物が手に入らない。そしてついに崩れない橋が完成!(写真)でもこれが最終ラウンドで、手堅く果物を集め、特殊能力を身につけた鴉さんが1位。負けたけれども達成感のあるゲームとなった。
2枚横に並べたり、斜めにおいたりと、いろんなパターンを作る姿は真剣そのもの。「ミュウ理論で摩擦係数を高めました」とか言っていた橋があっさり崩れたりして笑えた。
Burp
H.ビルツ、P.グートブロート、R.クレーン/ハイデルベルガー出版(1995年)
2〜4人用/10歳以上/60分
絶版・入手難