お姫様を助けるのは誰だ(Der verzauberte Turm)
魔法使い役が1人、残りは勇者役になる1対多のゲーム。勇者たちに目を閉じてもらって、その間に魔法使いが森のどこかにカギを隠す。順番にサイコロを振って自分のコマを進める。勇者はボード上から、魔法使いはボード外から。勇者は適当に散らばっておくのがよいだろう。
魔法使いがボード上に出てくると、カギを目指して進むので、勇者たちはだいたいのありかをつかめるようになる。「ここか! この辺か!」「いやあ、どうでしょう」
コマには磁石が仕込まれており、止まったマスのチップがくっつくようになっている。チップの下に見事カギがあればカギ発見。勇者でも魔法使いでも、先に見つけたほうがお城のカギ穴に差し込むことができる。
カギ穴は6つあり、どこで開くかは魔法使いにも分からない。カギを差し込んだとき、お城にいるお姫様が飛び出せば勝利。外れたらまた魔法使いがカギを隠すところから。
シュピール会場で4人プレイ。6つのカギ穴のどこに入れてもお姫様が飛び出さないので不思議に思ったら故障だった。大人だけで遊ぶとつい淡々と遊んでしまうので、「これで大賞?」という感想を抱いたが、その後、親子で遊んでいる姿を見て納得。お母さんが魔法使い役で、先にカギを見つけると子供たちがキャーキャー言って騒いでいた。
Der verzauberte Turm
I.ブラント&M.ブラント/ドライマギア(2012年)
2~4人用/5歳以上/20分
金角湾(Golden Horn)
渋滞するほど速い海路
中世の商人たちが、ヴェネツィアとコンスタンティノープル(現・イスタンブール)を船で行き来して品物を運ぶゲーム。イタリア人デザイナーのL.コロヴィーニの作品で、2013年のオーストリアゲーム大賞を受賞している。
ヴェネツィア港とコンスタンティノープル港は一本道で、船はどちらからでも出発できる。各プレイヤーは3隻の船をもっており、手番にはどの船を進めてもよい。港では袋からランダムに引いた品物を船に乗せて出発。
最初の1マスは無料で、それ以降は、その船の帆と同じ色のマスは無料で進める。色が違うときは、手札の風カードで対応する色を出して進む。港に入るまで、1回の手番に何マスでも進んでよい。
ほかの船がいるマスはスキップできるので、渋滞しているほどすいすい進める。3,4隻連なっていればしめたもの。スポーンスポーン飛ばしてあっという間に到着できてしまう。そのような状況を見逃してはいけない。
反対側の港に着いたら、荷物を降ろして自分の商館にしまい、次の番からまた荷物を積んでスタート。こうして船は行ったり来たりして荷物を運ぶのである。
3隻の船は、帆がそれぞれ1色、2色、3色になっており、3色の船は進むスピードが早い。しかし、港に入ったときに補充できる風カードが少なくなっている。風カードは、同じ色を2枚出せば海賊になり、ほかの人の船から品物を盗むこともできる。
港に品物がなくなったらゲーム終了。得点計算では、品物1つにつき1点が基本だが、6色ある品物がどれくらいセットになっているかでボーナスがつく。全色揃いのセットをできるだけたくさん作ることを目指そう。
シュピール’13の会場で4人プレイ、30分ほど。出版社にもデザイナーにもあまり期待していなかったが、ほしい色の品物をめぐる競争があったり、海賊のハプニングがあったりと、場面の展開が多様で楽しめた。終盤、船の行き来が減って海賊が横行するところがリアル。
Golden Horn
L.コロヴィーニ/ピアトニク(2013年)
2~4人用/8歳以上/45分
国内未発売