いろは(Iroha)
つくろうオリジナルいろは唄
巻物状のコンポーネントを広げると、そこは平安の世界。五十音カードを組み合わせて、オリジナルいろは唄を作るワードゲームが『いろは』だ。大阪の同人サークルたなごころの作品。同じ文字は二度と使えないから注意!
手札と場札の文字を組み合わせて、言葉を作る。いろはの表で使った文字にはおはじきを置く。おはじきは最後に得点になるからできるだけ長い言葉をつくろう。一句(「いろは」「にほへと」)や一行(「いろはにほへと」)をコンプリートすれば得点が上がる。
作った言葉は順番にもう1つの巻物の上に並べられる。今回出来上がった句は「終日(ひねもす)部屋は」「舐めても魔性あほくさい」など。巻物の上に墨書が並んでいるためか、和歌のように見えてくるのが面白い(何か卑猥な感じがするのは気のせいだろうか)。
最後の一列「ゑひもせす」をコンプリートした私の勝利。一句・一列コンプリートを目指すために使わなければいけない文字があって、無理やり作ったような言葉になるのもまた一興である。
いろは
たなごころ(2012年)
2~4人用/15~30分
絶版・再版待ち
キノコハンターズ(Mushroom Hunters)
キノコ採りのリスク
キノコ採りをする人に聞くと、崖っぷちに生えているのをどうしても取りたくなるのだという。崖っぷちは手が届かないから、たくさんキノコが生えている。みんなあきらめたのを、うまく採れたら嬉しいだろう。そう思って、崖から転落して怪我をしたり、遭難したりする人も少なくない。
このゲームはそんなキノコ採りのリスクをバランスゲームというかたちでうまく表現している。しなった厚紙のカードの上に倒れないようコマを乗せて、キノコを集める。キノコがいっぱい書かれたカードを誰も取れないでいると、どうしても挑戦したくなってくる。そして滑落してしまうのだ。大阪の同人サークル、たなごころの作品。
手番にできることは、ハンターコマをキノコカードの上に置くか、ハンターが置いてあるキノコカードをハンターと一緒に取るか、失敗して除去されたハンターを手元に回収するか。キノコカードを集めて、場札の得点カードと交換し、その得点を競う。
ポイントは、ハンターコマの配置は1体ずつしかできないのに、キノコカードを採るのはいくつでもまとめてできるところだ。置けるところにはどんどん置いて、一度にチャレンジすれば得点が高い。しかも、ほかの人が倒すとペナルティとしてキノコカードを奪うこともできる。
3人プレイで30分以上かかったのは、慎重にコマを置いていたというのもあるが、我慢比べになってきたからである。まずみんな置けそうなところにどんどん置いていく。そのうち置けるところがなくなってくる。すると、キノコ採りをしないで、除去されたハンターの回収を始める。回収できるハンターもなくなった人は、安全そうなところを恐る恐る採る。でもほかのコマを倒してしまってペナルティを支払う。倒れたところに次の手番の人がコマを置く・・・しまいには、わざと倒れそうなところにおいて邪魔をするというプレイも。
しかし倒れそうな場所でも、慎重にやれば意外と倒れないこともあり、その見極めも重要だった。難しい場面を何度も切り抜けたbashiさんの勝利。ここを取れればトップというプレッシャーの中、いいキノコを採れたときの嬉しさは格別である。
キノコハンターズ(ハコイリ)
たなごころ(2013年)
2~3人用/20~30分
絶版・再版待ち