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地元フェスでボードゲーム

毎年、当サイト管理人の地元公民館で行われているフェスティバル「ぼくらの文楽(ぶんがく)」で、ボードゲームの体験会を担当した。
第5回ぼくらの文楽
田舎のフェスティバルといっても5回目を迎え、1日で3000人が参加する。音楽、クラフトや食べ物の出展、ワークショップなど、親子をターゲットにして行われ、地元だけでなく遠方からも参加者がある。第1回は、お目当てのミュージシャンを追いかけて、沖縄から参加した方もいたという。
ボードゲーム関連では以前に、木更津のボードゲームショップ「ゆかいなさかな」の黒川昌樹氏を招き、積み木とボードゲームの体験即売会も行われている。
今回のボードゲームコーナーも、体験して気に入ったら買えるように、「ゆかいなさかな」のご協力により、8タイトルをサンプルと共に提供して頂いた。用意したのは『にじいろのへび』『ゆかいなふくろ』『ペンギンパーティ』『キャプテンリノ』『ドブル』『ドメモ』『ブロックス』『穴掘りもぐら』である。
インスト要員については、フェスのスタッフをお借りしたほかに、いつも我が家にボードゲームを遊びに来ている仲間を誘って、私を含めて7人も集めることができた。以前、地元の文化祭で私だけでやろうとして当日急に仕事が入り、中止になってしまったという苦い思い出があったので一安心である。当日は果たして私に半日仕事が入り、フェスのスタッフも受付や物販のかけもちだったため、これでも足りないくらいだった。
シルバーウィークだったので前日から集まってゲーム会。そして夜には「ぼくらの人狼」と名づけて人狼会を行った。当日スタッフに私の妻も加わって5時間11ゲーム。これだけ続けて人狼を遊んだのは初めてだったが、続けて遊ぶことでそれぞれのキャラクターが見えてくるのでとても面白い。ゲーム仲間はそのままお泊まりで、翌日のボードゲームコーナーに臨んだ。
当日は10時から17時まで。和室に長テーブルを2つ組み合わせて3卓。長テーブルだと、端と端で別々のゲームができるため、最大6ゲームが同時に遊べる。そのほかに『巨大キャプテンリノ』用のスペースを作った。1卓に1人がインスト係として張り付き、ルールの説明や進行を担当する。もともと家族向けのフェスだったため、どんどん子供たちが遊びにやってくる。食事をとる余裕もないくらいで、7時間はあっという間に過ぎた。いったい何ゲーム遊んだか覚えていない。
用意したゲームはどのゲームも満遍なく遊ばれていたが、特に順番待ちができた『ブロックス』と、同じ子が何度も遊びたがった『ドブル』、あと小さい子供には『にじいろのへび』が人気だったようだ。『キャプテンリノ』は半ば協力ゲームのようになって、親子でどれくらい高いビルができるか挑戦していた。階が高くなるとお父さんが子供を抱っこして積ませるのも微笑ましい。
今回はドイツゲーム@Shibuyaの主宰者でもある児玉健さんらのけん玉パフォーマンス「ずーまだんけ」もいらしていた(地区内に日本一の競技用けん玉工場「山形工房」があり、けん玉愛好者には聖地とされている)。外ではけん玉ショー、内ではボードゲームコーナーと、子供と、子供の心を失っていない大人には至福の時間だったと思う。
1日中インスト係を務めたゲーム仲間は「(今回紹介したゲームは)もうしばらく遊ばなくていい」というほどだったが、順番を守ってプレイさせるとか、小さい子供にはハンデを与えるとか、メンバーによってはルールを簡略化するといった調整が、大きな経験値となったようだ。何ゲーム、何十ゲームと説明しているうちに、そのゲームならではの楽しませポイントもつかめてくる。終わってからの打ち上げは、そんな話に花が咲いた。
ボードゲームコーナーは予想以上に好評で、今後は定期開催されるようだ。仕事が増えてしまったような気がするが、これをきっかけにボードゲームの輪が広がっていくことを願っている。ボードゲームの普及について考えている方は、こういった地元イベントへの出展を検討してみてはどうだろうか。案ずるより生むが易し。

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ジョハリ(Johari)

売りたいとき売れず

インドの宝石市場で、宝石を仕入れて販売し、名声を競うゲーム。イタリア人がデザインし、ルックアウトシュピーレ(ドイツ)が2014年のエッセン・シュピールで発表した作品である。セットコレクション、一手を争うシビアなアクション選択、そして特殊効果カードと、ゲーマーにたまらない要素が詰め込まれている。
毎ラウンド、実行できるアクションは3つ。手元のアクションカードから1枚を選んで、同時に公開し、所持金の多いプレイヤーから実行するというのを3回繰り返す。
アクションは宝石を買う、宝石を売る、貴族を雇う、お金を得る(バクシーシ)、偽物の宝石を守る、宝石を交換する、前にプレイしたアクションをもう1回行うの7つ。お金を得る以外は、コストがかかり、特に1枚目に出すと高い。しかし後から出すとほかのプレイヤーに先を越されて何もできなくなるかもしれないというジレンマ。
宝石は種類ごとに分けられた「ストア」か、ランダムに混ざった「バザール」から手に入れる。売るときは全色揃えるか、1種類だけまとめるかのどちらか。そして売ったときにその個数に応じて名声ポイントが入る。どの宝石を売りたくて、どの宝石を集めるかを考えていかなければならない。
売るときに悩ましいのは、1種類だけまとめて売るときは、「同じ宝石を集めている2位のプレイヤーとの差分」だけが利益になるというルール。このため、その宝石を一番多く集めており、かつほかに集めている人がいる状態でなければ売ることができない。たくさん集めている人がいれば、ほかのプレイヤーはあえてその宝石を取らず、売る機会を作らせないだろう。かといって全色揃えるのも容易ではない。そこで貴族の特殊能力が重要になってくる(宝石をほかの色扱いにできるなど)。
さらに、宝石には本物と偽物があって、ほかの人が宝石を売ったときに偽物があると、1枚捨てなければならない。このルールもすごく効いていて、一手でも早く揃えて売ることを目指さなければならないようになっている。焦るー。
規定ラウンドでゲーム終了。宝石を売ったときに入る名声ポイントと、貴族のボーナスで多い人が勝つ。
3人プレイで1時間ほど。序盤からどんどん宝石を集めて売っていったが、コストがかかってジリ貧に。最後はバクシーシで小金を稼いでは使うというプレイとなってしまった。これではいつも後手後手でやりたいことができない。これに対し、序盤はお金を貯めて、貴族カードを取りつつじっくり攻めたcarlさんが貴族カードのコンボを作り、終盤は何でも売れるような状態にして1位。tomokさんも節約プレイだったが、ここぞというところで貴族カードを先に取られて2位。
お金を貯めこんでいても勝つことはできない。ゲーム全体の流れを見据え、かつたまに巡ってくる絶好の機会では少しコストがかかってでも先手を取りにいくという思い切りの良さも求められる。ほかのプレイヤーとの絡みで商機が回ってくるのがとても面白い。
Johari
C.ラヴェッチ作/ルックアウトシュピーレ(2014年)
2~4人用/10歳以上/60分
国内未発売