非公開の2枚が巻き起こすドラマ
公開された手札を固定配置オークション(ところてん競り)で手に入れ、2枚の非公開手札と共に戦うトリックテイキングゲーム。『OPEN』『LOOP』に続くBrainBrainGamesの小箱シリーズ第3弾で、ゲームマーケット2024秋に発表された。当サイト発表の最注目作7タイトルに入り、新作評価アンケートでは18位。
最初のオークションの原資は勝利点である。後で1トリック1点、3トリックで+1点、Aは1点などの得点が取れそうかを考えて、赤字にならないように値付けをする。しかし弱い手札は1トリックも取れないことがあるので、タダならどれでもいいというわけにはいかない。
全員が手札を取ったら、マストフォローのトリックテイキングを行なう。スートは2色で同じ数字が複数枚あり、後出し可、同じ数字2枚出し可(2枚両方のスートをフォローしなければならない)。Aは最弱だが、10が出ているときのみ最強。最初のオークションのビッドが妥当だったかどうかが明らかになる。
フォローの義務があるのは公開の手札だけで、非公開の手札は隠しておいてもよい。公開の手札だけだと途中から先の先まで読めてしまうので、非公開の手札をできるだけ温存して優位に立ちたいところだ。最後のトリックを取ると3点のボーナスがある(他に全トリック獲得で3点のボーナスがつくが、0トリックボーナスはないので達成は難しい)。
この「途中から先の先まで読めてしまう」あたりの瀬戸際がゲームの醍醐味。非公開手札も終盤近くにはカウンティングおよび「まだ出していない」という事実によって推理できるので、詰将棋のようになることもあるが、意外なカードが出てきてドラマチックな展開になるのが楽しい。
GEAR
ゲームデザイン:齋藤隆、アートワーク:QURAGE
BrainBrainGames(2024年)
2~5人用/10歳以上/10分