大戦争のあとしまつ(Aftermath of the Great War)

支援の醜い押し付けあい

長く続いたとある戦争がようやく終わり、周辺国の元首たちが出費をできるだけ抑えて復興支援するトリックテイキングゲーム。芸無工房がゲームマーケット2022春で発表した。

5スートで1~19のカードがあり、いろいろな支援内容が書かれている。特徴的なのは1枚のカードが上下に分かれており、スートや数字が別になっているところだ。マストフォローだが、どちらの側で出してもよい。切り札はなく、リードカラーで最も高い数字がトリックを取る。

ほとんどのカードにはうんこマークがついており、獲得したトリックのうんこマーク全てが失点になる。そのため基本的にはできるだけ低い数字を出して、トリックを取らないようにする。ただしトリックを取ると、5種類の先物相場にチップをベットして当たれば大儲けができる。

先物相場は、予め各プレイヤーが手札から捨て札にした2枚のカードのアイコン合計数で決められる。自分以外のプレイヤーは情報がないから、ベットから推測するしかない。当たれば収入は大きいが、ほとんどはハズレだ。そんな一か八かの賭けをするために、わざわざトリックを獲得しに行くことはない。手札の都合で勝つ(支援する)しかなかったプレイヤーへのせめてものつぐないである。

トリックに勝たなくても、ゲーム中1回だけ、最初から持っている「0」のカードを出して先物相場に別途することができる。また後手番のほうならば、上家のプレイヤーが出したカードにうんこマークが少なければ取りに行く手もあるだろう。

どうぞどうぞと遠慮し合いながらカードを出して押し付け合い、押し付けられてしまったプレイヤーは資金を補充するべく先物取引に走る。しかしそう儲かるはずもなく、大部分のプレイヤーはマイナス点での終了となった。戦争のない世の中を望むばかりだ。

大戦争のあとしまつ
ゲームデザイン:北条投了
芸無工房(2022年)
3~5人用/30分
通販:ディスカバリーゲームズDDT

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