スコットランド生まれのアメリカの実業家で「鉄鋼王」と呼ばれたアンドリュー・カーネギー(1835-1919)の人生にインスパイアされたボードゲーム。『トロワ』『銀杏都市』のジョルジュがデザインし、クワインドゲームズ(オランダ)から今春発売された。19世紀を舞台に、従業員の採用とマネージメント、不動産投資、商品の生産と販売、米国全土での輸送経路の構築を行って事業を拡大し、企業の名声を競う。
毎ラウンド、リードプレイヤーが4つのアクション(人材、管理、建設、研究開発)から1つを選択し、対応する部署でアクションを行う。部署は最初に5つあり、人材を振り分けてリソースやお金を獲得し、部署を増やしたり、アメリカ各都市で事業を始めたり、事業効率を上げたりする。
他のプレイヤーもリードプレイヤーが選んだアクションをフォローして自分の部署のアクションを行い、リードプレイヤーを交替して次のラウンドに移る。20ラウンドでゲーム終了となり、事業を行った都市の接続、部署や事業などが勝利点となり、最も多いプレイヤーが勝者になる。
慈善家でもあったカーネギーにならい、教育・人権・福祉・健康の4分野に寄付できるところが特徴。ボード上に寄付トラックがあり、お金をたくさん支払うほど得点源が増える仕組みになっている。
新設する部署の選択によって得意とするアクションがプレイヤーによって変わるため、他のプレイヤーの状況も見据えたアクションを選ばなければならない。また各アクションは有機的につながっており、順番やタイミングも重要となる。戦略的な経営で最も名声の高い企業に成長させることができるのは誰だろうか?
キックスターター版ではインサート、専用ボード、ミニ拡張「新たな始まり」を追加し、トークン類が金属製やスクリーン印刷など豪華なものになっている。
数寄ゲームズ:カーネギー:リテール版/キックスターター版
カーネギー(Carnegie)
会社の部署を増設しつつ社員を配置し、アメリカ各地に送り込んで利益を得る。手番プレイヤーが選んだアクションを全員が行うアクションフォローで待ち時間が少なく、プレイヤーボードから出てくる発展スライドで成長が視覚的に感じられる。派遣から帰った社員を活かせず敗北。 pic.twitter.com/dWoHwsfRh3— Table Games in the World / ボードゲームニュース (@hourei) October 16, 2022