アナンシ(Anansi)

ガッカリからニッコリ

ヘビやハチやヒョウの面白い物語をして聴衆を楽しませるというテーマのトリックテイキングゲーム。自然の調和をテーマにした『エタニティ』(2016年)をテーマ替えリメイクしたもので、ハイデルベアゲームズ(ドイツ)から発売された。退屈そうにしているおじさんが、トリックを取ってあげると喜んでくれるのがいい。

スートは3つで、各プレイヤーに配られるほかに、中央の場に2枚出して切り札が決まる(一番数字の大きいカードが出ているスート)。トリックテイキングはマストフォローで、フォローできないとき切り札があれば出さなければならないというルール。

このとき、カードを出してもトリックテイキングに参加せず、聴衆カードを獲得するという選択肢がある。カードに付いている聴衆マークの数だけ、聴衆カードを受け取り、退屈そうにしている面にしておく。聴衆カード用に出されたカードは中央の場に置き、切り札が変わる可能性がある。手札に多いスートを切り札にしたいところだが、そのためにそのスートを1枚出さなければならないところがジレンマ。

この聴衆は、獲得したトリックを与えると裏返って喜んだ面になる。ラウンド終了までに、獲得した聴衆カードを全て喜んだ面にできれば得点になる。さらに獲得トリック数と聴衆カード枚数が同じだったらボーナス(ピタリ賞)がある。一方、退屈そうにしている面の聴衆が1枚でもあれば0点。つまり、ゲーム中に獲得トリック目標を調整できるというわけである。意外とたくさんトリックが取れたら、聴衆カードを追加してもよいが、欲張って無得点にならないようにしたい。

3ラウンドの合計得点を競う。ピタリ賞の得点はだんだん上がっていくので、逆転もできるだろう。

ピタリ賞を狙って獲得トリック数を調整するのはテクニカルで、それでいて最終トリックでのドラマもある。トリックテイキングはプレイ中にテーマ性を感じにくいものだが、聴衆の顔のイラスト(ナイジェリアと南アフリカのイラストレーターらしい)のおかげで「何としてでももう1トリック取ってあげなきゃ」という気持ちになれる。

Anansi
ゲームデザイン・C.ブロンデル&J.ドラトワ
イラスト・D.バイエグンヒ&E.ムドラローズ
ハイデルベアゲームズ(2020年)
3~5人用/10歳以上/25~30分
ボードゲームキューブ:アナンシ

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