アマルフィ(Amalfi)

資源が余るふぃ
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15世紀イタリアを舞台に、船をやりくりして資源を集め、さまざまな人物の能力も使って勝利点を競うゲーム。「精神科医のボードゲーム日記」のtakewatch氏が、ゲームマーケット2020大阪で発表する予定だった作品で、製作が遅れているうちに2つのゲームマーケットが中止となり、結局6月に発送された。国産ゲームで7600円という高価格だったが、初版は完売して現在第二版の予約が始まっている。
各自6つの船コマを個人ボードに置いてスタートする。この船をアクションスペースに置いて資源を獲得し、集めた資源でカードを購入するワーカープレイスメント&交換がゲームのメインメカニクスだ。
このゲームで独特なのが、資源の管理を船コマで行っていることだ。例えば「宝石2つを獲得」というアクションスペースに船を置いたら、海スペースにある船を2つ、宝石スペースに移動する。この船コマを海スペースに戻すと、コストに宝石が指示されているカードを購入できる。
資源は香辛料、小麦、ワイン、宝石、織物、食料の6種類で、ほとんどのカードは購入コストとして特定の資源が指定されており、6種類の通貨があると思えばよいだろう。勝利点の高い高級なカードを獲得するには、その資源のスペースに船を集めなければならない。どのカードを狙うか、どのアクションスペースがまだ使えるか、ほかのプレイヤーに先を越されないかと考えることは多い。
支払いに使った船は再利用できるが、アクションスペースに置いた船はラウンド終了まで返ってこない。船数はだんだん少なくなり、アクションができなくなった人からラウンドをパスする。船を増やす「造船」アクションもあるが、獲得にも維持にもコストがかかるのでただ増やせばいいというものでもない。
このように船が資源スペースと海スペースを行き来する仕組みも面白いが、それ以上にこのゲームを特徴づけるのは豊富な種類のカードによるコンボ能力である。カードには自分だけのアクションスペースになる「海図」、絵画・書籍・建物という3ジャンルで勝利点をもたらす「契約」、そしてゲーム中や終了時に様々な効果をもたらす「人物」の3種類があり、発展を手助けしてくれる。
どのカードを選び、どう組み合わせるかによって、戦略も展開も大きく変わるだろう。「契約」と「人物」にはそれぞれ、フレーバーとして固有名詞が記されており、有名なものほど強い。「さすがマゼラン、強いですね~」「『痴愚神礼讃』ほしい!」などと言い合いながらプレイできる。
4人プレイで120分。海図のコストを下げるコロンブス、海図を取るたびに2勝利点は入るマゼラン、ゲーム終了時に海図1枚で3勝利点になるジョアン2世という「海図トリオ」で海図プレイに走り、ゲーム中はずっと大幅リード。直接攻撃などもないので安泰だったが、契約カードを疎かにして、ラウンド終了時の決算カード、早いもの勝ちの称号カードで出遅れてしまい結局3位。契約カードはゲーム中効果が薄いが得点が高いので、中盤から方針転換したほうがよかったかもしれない。
勝てなかったにもかかわらず、やりたいことがやりたい放題できてとても気持ちよく、次回はああしてみよう、こうしてみようと構想が膨らむ作品である。
Amalfi
ゲームデザイン・yamada takeo(takewatch)
イラスト・ウラベロシナンテ
うちばこや(2020年)
1~4人用/12歳以上/90~120分
うちばこや:アマルフィ

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