昨年から続くコロナ禍で、エッセン・シュピールもニュルンベルク・シュピールヴァーレンメッセも中止という中で発売された新作から、例年通り約300タイトルをプレイして評価。審査員はデジタルプラットフォームでプレイを行い、zoomで情報を交換してきた。パンデミックの中で制作されたためかルールブックの不備が目立ったというが、デザイナーや出版社が言語・役割・イラストで人種や性別の多様性を考えるようになったことを歓迎している。
メインである年間大賞(赤)にノミネートされたのは、ストーリーブック付き探索ゲーム『ロビンフッドの冒険』、ウォーリーをさがせ風探偵ゲーム『ミクロマクロ:クライムシティ』(日本語版はホビージャパンから発売済)、レガシー要素のある救出ゲーム『ゾンビティーンズ:進化の鼓動』(日本語版はすごろくやから発売予定)。3タイトルとも協力ゲームとなるのは史上初。コロナ以前からのトレンドではあるが、物語体験を共有できるキャンペーン型の協力ゲームに注目すべき作品が増えているという。
経験者向けであるエキスパートゲーム大賞(灰色)のノミネートには、ワーカープレイスメント&デッキビルドの探索ゲーム『アルナックの失われし遺跡』、ユニークカードのコンボゲーム『ファンタジー・レルムズ』、旧石器時代のサバイバル協力ゲーム『パレオ』の3タイトル。いずれも日本語版が発売されている。キッズゲーム大賞(青)には、タイルをつなげて卵を産む『ドラゴミノ』(日本語版はテンデイズゲームズから発売予定)、ストーリーテリングゲーム『ストーリーテイラー』(日本語版はすごろくやから発売予定)、モンタージュ写真の記憶ゲーム『名探偵ミア・ロンドン』(日本語版はすごろくやから発売済)がノミネートされた。
ノミネート作品9タイトル中、日本語版が発売済み・発売予定のものは8タイトル。推薦リストでは『ポイントサラダ』、『イーオンズエンド』、『バラージ』の日本語版が発売されている。
【年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)ノミネート】
ロビンフッドの冒険(Die Abenteuer des Robin Hood)
ゲームデザイン&イラスト・M.メンツェル
出版社・コスモス、2~4人用、10歳以上、60分
ミクロマクロ:クライムシティ(MicroMacro: Crime City)
ゲームデザイン・J.ジッヒ
イラスト・J.ジッヒ&D.ゴル&T.ヨヒンケ、出版社・シュピールヴィーゼ出版+ペガサス
1~4人用、10歳以上、15~45分
ゾンビティーンズ:進化の鼓動(Zombie Teenz Evolution)
ゲームデザイン・A.ロベ
イラスト・ニカオ、出版社・スコーピオンマスク
2~4人用、8歳以上、20分
推薦リスト:ビス20、チャクラ、ポイントサラダ、スイッチ&シグナル、ザ・キー:ラマランドからの脱出
【年間エキスパートゲーム大賞(Kennerspiel des Jahres)ノミネート】
アルナックの失われし遺跡(Die verlorenen Ruinen von Arnak)
ゲームデザイン・ミン&エルウェン
イラスト・J.クス&O.フルディナ&J.ポリツァー&F.セドラツェク&M.バブロン
出版社・チェコゲームズ出版+ハイデルベアゲームズ
1~4人用、12歳以上、プレイ人数×30分
ファンタジー・レルムズ(Fantastische Reiche)
ゲームデザイン・B.グラスコ、イラスト・オクトグラフィックス
出版社・ストローマンゲームズ
2~7人用、14歳以上、20分
パレオ(Paleo)
ゲームデザイン・P.ルステンマイアー、イラスト・D.マイヤー
出版社・ハンス・イム・グリュック
1~4人用、10歳以上、45~60分
推薦リスト:イーオンズエンド、リフトフォース、グルームヘイブン:獅子のあぎと、バラージ
【年間キッズゲーム大賞(Kinderspiel des Jahres)ノミネート】
ドラゴミノ(Dragomino)
ゲームデザイン・B.カタラ&M.フォー&W.フォー
イラスト・M.ダ・シルヴァ&C.ドゥシャンプ、出版社・ペガサス
2~4人用、5歳以上、15分
ストーリーテイラー(Fabelwelten)
ゲームデザイン・M.フォー&W.フォー、イラスト・E.スモレンセバ&I.ペチェンキナ
出版社・ライフスタイル、2~6人用、5歳以上、20~30分
名探偵ミア・ロンドン(Mia London)
ゲームデザイン・A.ボザ&C.ルブラ、イラスト・ニカオ
出版社・スコーピオンマスク
2~4人用、6歳以上、10分
推薦リスト:ヒップホップヒッポ、探偵ナーゼ、キャプテンクラー、メモフレンズ、スイップシープ、タピケコイ?、ドリームキャッチャー