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絵と絵で通じ合う

親と同じお題カードが配られたプレイヤーを、絵を見て当てるパーティーゲーム。昨年『ザ・マインド』『クアックザルバー』『ガンツシュンクレバー』で一躍注目を浴びているオーストリア人デザイナー、ヴォルフガング・ヴァルシュ博士の今春の新作で、ベルリンのボードゲームカフェ「シュピールヴィーゼ」がプロデュースし、ペガサスシュピーレから発売された。『リンク/ペアペア連想ゲーム』のようなプレイ感ながら、絵で通じ合うところに創造性が刺激される。
親がお題カードを見て自分のお題を確認し、そこにランダムに数枚のお題カードを混ぜてみんなに配る。各自配られたお題カードを見てお絵かきタイムスタート。描き終わったら、親の絵とほかの人の絵を並べて、親と同じお題で描いた人の絵を予想する。
親も、自分が見たお題カードが誰に配られたか分からず、そのお題カードを配られた人も、親に配られたお題かどうか分からないので、予想に一緒に参加する。全員が一斉に予想したら、親が自分のお題を発表し、そのお題で描いた人を当てていれば得点が入る。
得点に工夫があって、不正解者の数だけ得点になるが、親と、同じお題を描いた人の2人は、どちらも当たっていないと得点できない。絵と絵で通じ合うことが求められているのだ。一方、それ以外のプレイヤーは、当たっていれば+1点のボーナスがある。絵が分かりやすすぎて全員が当たるような事態になると、それ以外のプレイヤーが1点だけもらえることになる。
この得点方法によって、不正解者を増やすべく、できるだけ抽象的で、そのお題を見た人にしか分からないような絵を描くようになる。箱絵のアートワークのように。そこに画力は全くと言っていいほど要らない。
タイトル「言外の意味」が示す通り、比喩的なもの(メタファー)、関連するもの(メトニミー)、上位/下位概念(シネクドキ)を駆使して絵で表すことになる。分かるか、分からないかのギリギリのライン。言葉でないところがまた誤解の余地が生まれて楽しい。
一体何を描いているのかさえ分からなかったものが、答え合わせで分かったときや、親と通じ合ったなという確信がもてたときの気持ちよさは格別である。たまにお互いに外して描いたものがかぶって当てられたりするのも一興だ。
Subtext
W.ヴァルシュ/シュピールヴィーゼ+ペガサスシュピーレ(2019年)
4~8人用/8歳以上/30分
ゲームストアバネスト:サブテキスト

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