生活の情景が目に浮かぶ
「エルフ」を担当したが、草原ぬきにいきなり牧場を作ったり、畑にしないでいきなり作物を植えたり、あまつさえ通常は山地にしか作れない建物を作ったりと森林ではやりたい放題。しかも山地は全く使わなくても失点がない。通常ルールの制約がなくてのびのびと開拓できるのは相当カタルシスがある。しかし終盤、森林の空いているマスがなくなり、やむなく山地スペースへ。山地はダブルタイルを置くのにルビーを支払わなければならないなど、一転して開拓しにくくなっている。なんとか住まいを確保して家族を増やしたものの、得点になる建物が少なくて2位。
1位になったのはbashiさんの「トロル」。探索で持ち帰れるものが1つ増える分、戦力が4から10までという低い範囲になっており、犬も食べられる分、食料は1人につき3つ支払わなければいけないという一長一短ある部族である。「ゴブリンのリビング」を作ってゴブリンを使って人手を増やし、木材による装備で余った鉱石を得点にできる建物で大量得点した。
かりぬさんが担当した「青白きもの」は山地に特化した部族で、いつも洞窟を掘れる上に、ダブルタイルを外にはみ出して置くたびにキノコとお金が出てくる。キノコは山地で栽培できる便利な食料で、食料調達が楽になってほかのことに力を入れることができ、僅差で3位。
こうした部族ごとのルール変更は部族の性格とリンクしており、エルフが森林に建物を作ったり、トロルが棍棒をもって探索にでかけたり、青白きものがキノコを栽培したりしている様子は情景が目に浮かぶようで没入感がある。どの部族も一癖も二癖もあり、ほかのプレイヤーがどの部族かによって戦略も変わる。重量級のゲームを繰り返し遊ぶのは、新作がどんどんリリースされる今日においてはどんどん難しくなっているが、こうしたリプレイ要素が加わると優先順位はバク上げされる。
Caverna: Vergessene Völker
ゲームデザイン・U.ローゼンベルク&A.ウィルバー/イラスト・J.G.カヴァ&K.フランツ
ルックアウトシュピーレ(2018年)
1~7人用/12歳以上/30~210分(プレイヤー人数×30分)