2017年12月2日、東京ビッグサイトにてゲームマーケット2017秋の1日目が開かれた。2000年に始まったゲームマーケットは、通算34回目にして初めて2日開催へと舵を切った。出展者も来場者も増加し続け、会場の拡大が追いつかなくなったためである。2日開催になった結果、出展者は昨年(ゲームマーケット2016秋)から35%増の730団体、ボードゲームの新作も35%増の466タイトル(暫定値)が発表されることになった。
正面入口からはカタンの赤とオインクゲームズの青が目立つ
朝10時の開会と共に、朝6時前から行列を作っていた来場者が一気に入場した。11680㎡の会場は混雑を感じなかったが、それでも限定品や人気ゲームの拡張セットを求めて一部のブースでは長い行列ができた。Bakafire Partyのブースには、『桜降る夜に決闘を』の最新拡張セットを求めて400人の行列ができたという。開場時には2000人弱の待機列ができていたというから(Raelさん調べ)、そのうち5人に1人は「ふるよに」を目指したことになる。
開場ラッシュが終わると、管理人は各ブースを回って新作のチェックを始めた。ゲームマーケット事務局では新作評価アンケートのため情報を収集しているが、なかなか思うように集まってこないのが現状で、そのままアンケートを始めれば、遊んだゲームがアンケートにないという事態が発生しかねない。それではゲームマーケット大賞の審査にも影響が出るので、ブースを回ることにした次第である。
結局、閉場間際までかかけて、先に撤収したブースを除き全ブースを回ってチェックすることができた。PCを片手にかかえている管理人を多くの方が見かけたのではないかと思う。ハードワークだったが、たくさんの方とお話でき、思わぬ掘り出し物も見つけられたのでよしとする。
今回、会場内の様子を見て何人かの人が口にしたのは、外国人とカップルの多さである。外国人は特に中国人が多い印象。中国から出展している方に聞いたところ、日本に留学している方と、中国や台湾からわざわざやってきたボードゲーム関係者が多いのではないかという。欧米からの参加者も目立った。
1日目の来場者は暫定で11000人ぐらいではないかという。ブースによっては売り切れもちらほら出始めた中で、2日目はどれくらいの来場者があるか楽しみである。
本日は2ゲームを試遊できた。
カナイセイジ氏の新作『ローレルクラウン(Laurel Crown)』は剣闘士をドラフトで集めて闘技会で争うゲーム。剣闘士はSランクからCランクまであり、それぞれ能力が異なる。これが場に並ぶので、順番に取っていく。そして5回の闘技会が、さまざまなレギュレーション(Sランク限定、男性限定など)で行われる。出場する剣闘士を手札から選んで、一斉にオープン。強さはダイスが基本で、それに特殊能力によって増減する。強さの順に名声が入り、次の闘技会へ。こうして名声の最も多いプレイヤーが勝つ。強さはダイスロールに大きく左右され、たまにCランクがSランクに勝ったりするサプライズが楽しい。2~4人用、14歳以上、20~40分。
オインクゲームズの新作『トロイカ(Troika)』は星から宝石と燃料を集めて帰還するタイルめくりゲーム。1から15までのタイルが場に裏向きになっており、自分の番には1枚めくった後、表になっているタイルから1枚取るか、要らなくなったタイルを場に返す。タイルは連番で3枚集めると価値のある宝石に、同じ番号を3枚集めると燃料になるが、それ以外は失点である。タイルがめくり終わったらラウンド終了で、燃料ができた人の中で宝石の価値の高い人から得点が入る。3ラウンドで合計得点の多い人が勝ち。それぞれの番号タイルが全体で何枚あるかは分かるので、ほかの人の獲得状況をもとにどのタイルを取るか、駆け引きもある。得点にも燃料にも使いやすい7が多めに入っており、競争率が上がるのが憎いところである。軽くて悩ましいゲーム。2~5人用、7歳以上、20分。
布製ゲーム版にきらびやかなコマの『グラギャモン』(ハッピーゲームズ)
美味しそうなドイツビールが登場『ようこそ、ビールまつり!』(十式ゲームワークス)
台湾から出展されたシリアスゲーム『台北大空襲』(迷走工作坊)
紙製でがっかりしている方へ『ドメモ木製版』(クロノス)
『SAN_GE SHAKA』(ADGGames)は花を金網に磁石でつけてパターンを作る
スタートプレイヤーを誰にするかでコミュニケーションを生む『ダレカラダイス』(ハコノソト)
新ボードゲーム党は『タイムボム』の各国語版を展示
タイトル未定、ノスゲムの新作ゲーム試作版。ひたすら美しい
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