アクア・スフィア(AquaSphere)

海底探索はトータルに
アクアスフィア
深海を探査して知識ポイントを競うゲーム。ドイツ人デザイナーS.フェルトが、ペガサスシュピーレから発表した作品で、エッセン・シュピールの人気投票「スカウトアクション」で1位を獲得している。複雑なリソース管理と失点対策、特殊能力のコンボと盛りだくさんで、あれもしたいこれもしたい、でもできることはわずかという悩ましさにあふれた作品だ。
深海なので、ロボットをプログラムして行動させる。手番には、ロボットをプログラムするか、プログラム通りに起動するかを行い、これを全員がパスするまで続ける。全員がパスしたらラウンド終了で中間決算があり、次のラウンドへ。こうして4ラウンドで得点を競う。プログラムと起動にタイムラグ(最低でも1手番以上)があるのがポイントで、先の先を読んでプログラムしておかないとほかのプレイヤーに先を越されてしまう。
ロボットができる行動は「研究所の拡張」「時間マーカーの獲得」「クリスタルの獲得」「大タコの捕獲」「潜水艦の配置」「調査カードの獲得」の6つ。プログラムするときはこの中から、通常2択しか選べない。自分のプレイヤーボードで、プログラムした行動にロボットを配置する。
プログラムを起動すると、ロボットはいよいよ深海ステーションに出発する。深海ステーションには6つの部屋があり、どこで行動するかを選んだ後、ロボットを置いてアクションを行う。部屋によって置いてあるリソースの種類や大タコの数が異なり、しかも早い者勝ちなので、各部屋の状況も見て置かなければならない。行動できる部屋は、自分の科学者コマがある部屋だけで、別の部屋に移るときは時間マーカーを消費する。こうして時間がどんどんなくなっていくのだ。急げ!
全員がパスした後に行われる中間決算では、6つの部屋の最多賞、ゲームに登場しているロボットの数、獲得したクリスタルの数に応じて知識ポイントが入る。ロボットの数による得点は、潜水艦の数と連動しており、両方出していかないと得点が伸びない。また、大タコの捕獲を怠った部屋では、その残り数に応じて減点されてしまう。ここがフェルトらしい。このタコが!
各部屋にリソースや大タコを補充して次のラウンドへ。4ラウンドの後、各種ボーナスを加えて知識ポイントの多い人が勝ち。
ゲームをさらに複雑にするのが、研究所の拡張と調査カードである。研究所の拡張によってリソースの貯蔵庫が増えるようになっており、拡張しないと、時間マーカーやクリスタルなどを持てる数が限られてしまう。また、調査カードは時間マーカーを節約したり、追加で知識ポイントを得たりできるさまざま特殊能力をもっている。これをいかにバランスよく組み合わせ、コンボを発生させるかが勝敗のカギとなる。
4人プレイで2時間ほど。序盤は調査カードでなかなかの滑り出しだったが、研究所の拡張と潜水艦の配置を怠ったために得点がすぐに行き詰まる。研究所の拡張タイルにはいろいろなパターンがあり、終盤になって集め始めても手遅れ。プログラムしたロボットをいつまでも起動できない失策も響いた。その間、序盤からじっくりと研究所を拡張してきたcarlさんがボーナス得点をどんどん伸ばして1位。終盤は、各部屋のロボットが満員になって帰ってくるので得点が減ることもある。大量得点できるチャンスを見つけ、そこに向けて先手先手を打ってプログラムしていくしたたかさが要求される。
AquaSphere
S.フェルト作/ホールゲームズ(ドイツ)
2-4人用/12歳以上/プレイ人数×25分

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