実録には1910年(明治43年)1月、8歳当時、「午前は学習院の授業、午後は御用邸内においてジャーマン・ビリヤード、人取り、玉鬼、相撲、クロックノールなど種々のお遊び」という記録がある。当初「クロックノール」とは何か、宮内庁も「分からない」としていたが、公開直後にボードゲーム愛好者から『クロキノール』のことではないかという指摘が寄せられた。
『クロキノール』は、中央のエリアに自分のコマを入れ、相手のコマを弾き出すカーリングのようなおはじきゲーム。1876年にカナダ・オンタリオで生まれたとされており、昭和天皇がお遊びになったのはその34年後ということになる。1890年代に宣教師によって日本に紹介されたといわれ、1903年(明治36年)には戦術指南書『クロック術』が出版された。この書籍の中で、『クロキノール』とルールがほぼ同じ「クロック・ノール・テーブル」がイギリス発祥のゲームとして紹介され、日本の学校などで遊ばれていたことが記されていることから、「クロックノール」と『クロキノール』は同一ゲームであると考えられる。
その後、大正・昭和にエポック社などから『投球盤』または『闘球盤』という名前で同様のゲームが販売されていたが、現在は絶版で入手難となっている。iOSアプリで遊ぶことはできる。
・毎日新聞:<昭和天皇実録>謎の遊び「クロックノール」
・Wikipedia:クロキノール
・猫の忘備録:猫とクロック・ノール・テーブル
・太田HP:闘球盤
・TGiWレポート:闘球盤
・iTunes:Croq