一手先に取られて
はじめに今回の舞台となる牧場を、タイルを並べて作る。1枚のタイルは4マスの六角形となっていて、順番に好きなように並べていく。穴だらけの牧場にするもよし、広がりのある牧場にするもよし。すでにここから戦いは始まっているのだ。自分の色の羊タイルを重ねて、ボードの端の好きなところに置いたらスタート。
自分の番には、重なった羊タイルを好きな枚数で分割し、その分割した何枚かを一直線上に障害物にぶつかるまで移動する。残った何枚かはそのマスにおいていく。こうして羊の群れがあちこちに広がっていくことになる。順番に行って、移動できるマスがなくなるまで続け、より多くのマスを自分の色の羊で専有できた人の勝ち。
直線に移動してだんだん移動できるところがなくなっていくのは、『それはオレの魚だ!(Hey, That’s My Fish!、2003年)』とプレイ感が似ているが、ゲームの準備が楽なのと、羊コマに重量感がある(ポーカーチップのような感じ)のがいい。見た目とは裏腹に、ゲームが始まるとすぐたいへんシビアなゲームであることに気づくのは同じ。
3人で10分ほど。囲碁のような感覚で、ほかの羊の侵入を阻んで自分だけの領地を作りたいところだが、そうは問屋がおろさない。はじめはのんびり広がっているのが、一度火種がつくと、みんなが一挙に押し寄せてくる。うず高く積み重なった羊が周囲をブロックされて動けなくなったら悲惨だ。相手の羊タイルの枚数を気にしながら、どこを優先的に取るべきか考えなければならない。「うわー、そこ取られた!」「えー、こっちに来るの?!」先の先を読むゲームだが、先の読めない展開があちこちで起こって盛り上がる。
Voll Schaf
F.ロッタ/ブルーオレンジ(2013年)・フッフ&フレンズ(2014年)
2-4人用/7歳以上/15分
テンデイズゲームズ:バトルシープ