掘って、運んで、売る
得点にするための道筋は、トロッコを購入して石炭を入手→アクションポイントで地上に搬出→カードに指示された石炭が揃ったら配送という流れ。これに、収入を得る、新しい注文を取るというのを加えて5種類のアクションを、ワーカープレイスメントで行う。したいアクションのスペースに自分の労働者コマを置いて、そのアクションを行う。
ワーカープレイスメントは通常、すでにコマが置かれているところは選べないのだが、1つ余計に置けば選べるところが特徴(『ブリュッセル1893』などにも一部そのようなスペースがある)。ただしコマの数は限られているので、同じアクションばかり選んでいるとあっという間になくなってしまう。だいたいやりたいことの半分ぐらいしかできない感じだ。
得点は、配達のときに入るほか、全員のコマがなくなってラウンドが終了したときにも入る。第1ラウンドは、配達した石炭の数。石炭には安価な黄色から高級な黒まで4種類あり、色別に多く配達した人がボーナスを貰える。第2ラウンドは、配達した石炭の数に加えて、配達に使った輸送手段(手押し車から鉄道まで)の種類別に多い人がボーナスを得る。第3ラウンドは、配達した石炭の数、配達に使った輸送手段に加えて、トロッコの数を競う。ボーナス要素が増えていくところが面白い。
4人プレイで1時間ちょっと。ほかの人とどれくらいかぶらないでアクションできるかがカギだが、トロッコタイルの色や注文カードの種類が偏っていたため選択肢の幅が狭まり、労働者を消耗する展開。その点、1ラウンド目に資金集めにつぎ込んだ鴉さんが選択肢の幅を広げ、労働者コマを節約して1位。私は高級な黒の石炭に手を出せないまま、ボーナスが伸び悩んだ。2番目に安価な茶色を伸ばしたが、次に黒を狙おうかというところで、黒のトロッコも、黒の注文も出てこなかった。
ワーカープレイスメントに、アクションポイントに、セットコレクションと要素を詰め込んでいるのに、直感的で分かりやすいのはさすが大賞作家コンビの手腕。テキストやアイコンによる特殊効果を削っているのも、遊びやすさにつながっていて好感がもてる。それでいてトロッコや注文の選択の幅、そしてアクションの順番に工夫する要素が多い。
Glück auf
W.クラマー、M.キースリング/エッガートシュピーレ(2013年)
2~4人用/10歳以上/60~75分