リサイクル:危機の時代(Recicle: Tempos de Crise)

資金0からのリサイクル事業
連日、お金カツカツのマネージメントゲームを紹介している。お金カツカツでマゾヒスティックに苦しめられるM.ワレスの作品人気のもあってか、魅力を感じるゲーマーが多いようだ。実生活がカツカツでならば、わざわざゲームでまで追体験しなくてもいいだろうにと思うのは私だけだろうか。
とはいえ私も、可処分所得はほとんどないし、家のローンもたっぷり残っている身ではあるが、この手のゲームも楽しい。子供の頃、遠足のおやつ代300円と言われて、その中で少しでもお釣りがないようにしようとあれでもないこれでもないとお菓子を選んだときの感覚が蘇る(借金したわけではないが)。
『リサイクル(Lixo?)』といえば昨秋にポルトガルで発売された手軽なカードゲームだが、同じポルトガル語圏のブラジルから、別の『リサイクル(Recicle)』が一昨年発売されている。ゴミを買い集めて工場でリサイクルするこのゲームのカツカツぶりは、凶悪といっていい。ゲームの大半は借金生活で、終盤に何とか黒字になるかどうかである。
リサイクル
各ラウンド、はじめは作業員を移動してアクションを選ぶ。資源ゴミを集める(紙、ガラス、プラ、UHT、金属、生ゴミの6種類)、ゴミを工場に運搬する、アクションカード(ラウンド中に特殊効果を得る)の獲得など。作業員はとなりの空きマスにしか移動できないので、どのアクションでもできるわけではない。
集めるところまでは無料だが、運搬するところからお金がかかる。これがいきなり高い。工場に運ばず、倉庫に売れば収入になるが微々たるもの。それどころか、必要に応じて倉庫から買い付けることもある。工場までもってこないとリサイクルできないので、借金してでも運ぶ。
リサイクルするには、資源ゴミの種類に応じた設備が必要だ。設備は手番中に好きなものを買えるが、どれもおしなべて高い。しかし設備がないとリサイクルできないので、また借金。金属専用とか紙専用とか、特定の組み合わせでとかいろいろあるので、ほかの人とかぶらない設備を選びたい。
リサイクルすると、お金と勝利点が入る。これを元手に次のラウンドに資源を購入して、設備投資して、さらに儲けたいところだが……利益などはあっという間に使い果たしてしまって、借金が返せる見込みはしばらく立たない。
というのも、所持金トラックは下がるとき(=借金するとき)のマス数より、上がるとき(=収入)のマス数が多いのである。5ドルの借金を返して0に戻すには、7ドル支払わなくてはならない。しかも初期資金は0。最初から借金が決まっているのである。
工場がどんどん稼働して一気に収入や得点が入る状態になるまで、相当時間がかかるが、できるだけ早く達成しなければならない。収入を増やす「デザイナー」を雇ったkarokuさんが中盤くらいから設備がうまく回ってきて1位。ふうかさんは設備を必要としない生ゴミで手堅く稼いで2位。私は最初から回収が高くつく金属ゴミを扱ったため効率が悪く最下位。
借金は、ゲームの中だけにしたいものである。ご利用は計画的に。
Recicle: Tempos de Crise
L.M.コエリョ/ガラパゴス・ジョゴス(2010年)
2〜4人用/14歳以上/120分
今日もプレイミス:【ゲーム紹介】リサイクル:危機の時代(Recicle: Tempos de Crise)
ふうかのボードゲーム日記:リサイクル:危機の時代

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