『ドミニオンへの招待』書評

3月中旬にホビージャパンから発売された『ドミニオンへの招待』を読み始めたところ、とても面白くて数日で読み終えてしまった。
『ドミニオン』はそれほどやりこんでいないので、カード名だけでは効果を思い出せないものも多い。基本セットはまだしも、『陰謀』『海辺』になるほど「そんなカードあったっけ?」という程度。なので攻略記事を読んでも激しく頷いたり首を捻ったりできない。
『ドミニオンへの招待』は、マンガによる紹介「はじめてのドミニオン」、基本セットからプロモカードまで解説する「オールカードレビュー」、いくつかの戦略を紹介する「サルでもわかるデッキ構築のススメ」、初手で何を買ったらいいかをアンケートする「ドミニオン版 何を取る?」、作者ヴァッカリーノのインタビュー、来月発売予定の新セット『錬金術』のイラストプレビューから構成されているが、全122ページのうち3分の2が「オールカードレビュー」に割かれている。ここの出来が全体を左右するわけだが、読んで実に楽しかった。
まず、全ページがフルカラーで、各カードがそっくり掲載されている。イラストをじっくり観賞し(ゲーム中にはあまり見ないものである)、カードの効果や値段を確認した上で、レビューを読めるのは嬉しい。
そしてレビューはクロスレビュー形式となっており、4人の評者が10点満点の得点と、評価の説明を掲載している。値段との割合、ほかのカードとの相性の良し悪し、そして好み。複数のレビュアーがいることで、偏った評価なのかどうかも分かり、皆が口を揃えて書いていることは、妥当性が高いという判断もできる。
でもそれ以上に読んで楽しかったのは、優れたコピーである。特に田中和彦氏のダジャレには、つい笑うことがしばしば。特に「探検家」(『海辺』)の「キンカーゲット・エクスプローラー」がツボにはまった。
このクロスレビュー形式は、多くの『ドミニオン』ユーザーが相乗りして、今ネットに次々と得点が掲載されている。本の評価点数と比べたり、自分自身で評価してみたりするのも面白いだろう。
そんなわけで、『ドミニオン』をやりこんでいる人にもそうでない人にも、この本はオススメ。海外では配布方法さえ決まっていないプロモーションカードの「へそくり」まで付録について1,680円。お得です。
ホビージャパン:ドミニオン
おひとりさまなめんな!:ドミニオンへの招待形式でレビューした人の評価を勝手にまとめてみた

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