エッセン国際ゲーム祭2006~日本からの出展編

ヤポンブランド★ヤポンブランド

ゲームマーケットの記事がドイツで取り上げられ、それなら実物を紹介しようと愛好者が立ち上がったのがヤポンブランドの発端。ゲームマーケットでおなじみのゲームデザイナーから、意欲的な作品を発表しているメーカー、翻訳者、イラストレーター、DTP、ショップ、日本に興味をもつドイツ人など幅広い立場の人が参加した。
事前にウェブやメールで大々的に宣伝し、また当日にフルカラー・ドイツ語のパンフレットを無料配布したのが奏功し、連日の大賑わい。『カルタゴの貿易商』、『R-ECO』、『テケリリ』、『マギ』、『まじかるスクール』、『とらぶる☆スクール』、『もんじろう』などが販売され、版権交渉まで行ったものもあったという。初回にしては大成功といえそうだ。(写真提供:山上氏)
ヤポンブランドの写真1ヤポンブランドの写真2(Boardgame News)

★冒険企画局

迷宮牧場の決闘』は迷宮シリーズの最新作となるカードゲーム。プレイヤーはガンマンとなって西部のエリアを移動しながら撃ち合う。敵はどこに隠れているか手札から推理しつつ、自分は狙われないようにうまく隠れよう。1ゲームの時間が短く、繰り返し遊びたくなるテンポのよいゲームだ。
今回は製品版が間に合わず、試作品のみの展示。しかしテストプレイしたドイツ人の意見を反映して、バランス調整などできたという。エッセンの思わぬ効用である。製品版の発売は冬ということで、どんな仕上がりになるかとっても楽しみ。

★アークライト

ワールドタンクディビジョン』はミニチュア戦車を使ったカードがメインのウォーゲーム。ダイスを振って効果を使い、相手の戦車を破壊することを目指す。戦車の拡張を加えれば新しい可能性も広がる。
アークライトはアメリカ支社がメインで出展しており、英語版が展示されていた。

 

★クロスロード

クロスロード』(写真右)は災害をテーマにしたカードゲーム。阪神大震災の実話を元に、判断の難しい問題を出し、参加者がイエス・ノーを提示してその根拠を議論しあう。多数派に入れば点数になるゲームと、自分の正直な意見を言うゲームの2種類がある。開発チームではこんな本も出版。地震のないドイツではピンとこない人も多かったようだが、教育ゲームを展示するほかのブースと情報交換していた模様だ。

★ジェンブロ

番外でおとなり韓国からの出展。ネットカフェが急激に衰退しているという韓国だが、輸入ゲームや新作ゲームはまだまだ元気。韓国ボードゲーム大賞を受賞したという『ジェンブロ(Gemblo)』は、宝石がつながったコマをできるだけ多くボードに配置するゲーム。自分のコマとは空いている辺1つだけ隔てて置くというルールになっている。『ブロックス』のように見えて独特の雰囲気を持っている。

残念ながら今年は頭脳スポーツ協会は出展しておらず、日本からの出展は4団体にとどまった。遠方からの出展ということで、ブースの飾りつけなどどうしても見劣りしてしまうが、外見よりも中身で勝負して、よいゲームを知らしめてほしいと願う。