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管理人のプロフィール


ボードゲーム歴


小学生のときに人生ゲーム・パーティージョイなどの国産ボードゲームを遊ぶ。トランプではページワン、ババ抜き、神経衰弱の3つを家族とよく遊んだ。小学校では将棋クラブに入っていたが全く上達せず。しかしそれ以降ファミコンブームにのみ込まれて大学時代まで遠ざかる(TRPG、シミュレーション、TCGとは縁なし)。麻雀は中三で覚えたが、大学に入ってからはタバコの煙が嫌いという理由からあまりする機会がなくなった。

93年、飲み飽きた(もともとそんなに飲めなかった)学生寮の飲み友達と長い夜の暇つぶしのため、東急ハンズで買ってきたバックギャモンに興じたところから、急速にボードゲーム熱が再燃。東急ハンズで次々とゲームを買っては遊ぶようになる(『グラス』、『エドカ』、『はなまる作文ゲーム』などのカードゲームが多かった)。

94年にアパートに引っ越すと、サークル(オーケストラ)の練習後、友人や後輩たちを自宅に招いてよく徹夜でゲームをした。これがなかなか好評で、以来週1回程度ゲームするようになる。ゲームの購入先も東急ハンズでは飽き足らなくなり、後輩が持ってきた『ザ・ゲームカタログ(JAGA監修)』を頼りに奥野かるた店(神保町)、ポストホビー(代々木)、博品館(銀座)などを訪ね歩く(六本木のプレイシングスはすでになかった)。そのうち奥野かるた店の品揃えに目をつけ、2階(改装前だった)で埃をかぶった安め(3000円程度)のボードゲームを買い漁る(『世界のスパイス』、『アンチモノポリー』など)。このウェブサイトの最初は、この段階で作られている(情報がほとんどなくて開店休業状態だったが)。

96年、大学院に進んでからも自宅で友人や後輩とゲームをする習慣は続いた。そんなある時(97年頃だったと思う)奥野かるた店で『カタンの開拓者たち』(トライソフト版)を購入。これがドイツゲームとの最初の出会いだったと思う。ドイツゲームは値段が高い(4000~5000円位)ので敬遠していたが、「六角形タイルはルールが複雑」という先入観を打ち壊して面白かったこのゲーム以来、ドイツゲームに急速に入れ込むと共に、ウェブサイトで海外の情報を翻訳して発信するようになる。

さらに奥野かるた店で『ミニスター』を購入したときに、日本語訳にメビウスゲームズの住所を発見。早速神保町から九段下(当時)へと向かう。クリーニング客の絶えない(当時)メビウスに足を運んだ最初だった。値段が高いゲームが置いてあるというのが第一印象。

こうしてメビウスゲームズのお世話になりながら1996~2000年ころまでの5年間は月に1度くらい、主に土日の午後に自宅ゲーム会を続ける。メンバー不足の悩みもあったが、サークル(オーケストラなのに…)に入ってくる後輩や時には同じ学科の友人・後輩まで次々と誘い入れるという方法で何とか集めていた。最も多く遊んだのは『カタンの開拓者たち』であり、あとは『ファミリービジネス』『じゅうたん商人』『ボーナンザ』『ニムト』などの値段の安いカードゲームが中心だった。この時期は前情報なしで闇雲に購入することが多く、ルール理解が追いつけないものも大きかった。「ボードゲームに面白いものなし」(カードゲームのほうが面白い)という格言が流行りそうになったのはこの時である。

99~2000年頃になると、勇気を出して値段の高いボードゲーム(『原始スープ』など)にも手を出してみる。時期も時期、『カタンの開拓者たち』に続くハイレベルなユーロゲームが続々入荷していたことと、ゲーム同人誌ノイエの刊行によって情報が総括的に手に入れられるようになったことから、下調べをきちんとして楽しいゲームをたくさん手に入れることができた。やがてインターネットを通じて国内のゲームショップ(名古屋ゲームストアバネストプレイスペース広島、シュピーレブルク(閉店)、イエローサブマリン)も知り、メビウスゲームズにない場合はこれらのショップで探し求めるようになる。山形ではビーゲームズ(今はない)も1度だけ訪れた。この時期からドイツのサイトも見るようになり、ドイツ語の練習もかねてカタンの開拓者たちのヴァリアントルール翻訳を中心にホームページの更新を再開。

2001年春、入籍して茨城県に引っ越す。200ほどのゲームは引越しの荷物の大きな部分を占めた。後輩も就職するなどして今までのゲーム仲間と疎遠になったのをきっかけに、インターネットで同志を探す。幸いなことにIGAの康さん、わんこさん&にゃんとろさん、YBGCのmuraさん、のごさん、かゆかゆさん、鷹村ナクトさん、moonさんふうかさん&karokuさんなどと知り合い、メンツに困らないどころか、ゲームをする機会はむしろ増えた。国内におけるドイツゲームのニュースサイトが少ないという事情から、ニュースサイトとしてのホームページ更新も意識し始める。また、海外から個人輸入も行い、宝探しのような気持ちでゲームショップに入荷されなさそうなマイナーなゲームを入手するようになった。

2002年、IGAの米出さんと共同で『トイプラス』という同人誌を製作、ゲームマーケットで頒布する。すでに途絶えていたノイエと途絶えがちだったバンプレスに代わる新たなゲーム雑誌をめざしたのでは決してなく、ゲームマーケットで米出さんが自作ゲームを販売するというのでおまけ程度というつもりで作った。2人と親交のあったのごさん、神尾さん、わんこさん、たかのさん、しゅうさんから寄稿を頂き、とても密度の濃い本ができあがった。この時期のゲームシーンを収録しておくことと、ウェブでは言い足りないことをじっくり読んでもらうことができたと思う。

その年のゲームマーケットにて、オフィス新大陸の坂本犬之介さんと知り合いになる。ゲーム書籍『ボードゲーム天国』(『ボードゲームキングダム』の前身)を作っているので力を貸してほしいと頼まれ、好き放題なことを言いつつ、ウェブやドイツの知り合いから得た情報をもとに「ドイツゲーム事情」という記事を書いた。自分の中でも整理したいと思っていたところなのでよい機会になった。また、取材協力という名目で、2002年に初めてドイツ・エッセンのボードゲームメッセ「シュピール」行きを果たす。著名なデザイナーとお話したり、ドイツの家族が普通にゲームを遊んでいるのを見たりして、大きな知見と感動を得た。このとき、プレスパスを発行するための申請書で「フリーのボードゲームジャーナリスト」という欄に印をつけたのがきっかけで、ボードゲームジャーナリストを名乗り始める。

エッセンでは『ノイエ』の中心メンバーであった大阪の一階良知さんと知り合う。エッセンの居酒屋にて、新しく立ち上げるボードゲーム普及団体の構想を聞かせてもらう。やがてこの団体は翌年、「ゆうもあ」と名乗りNPOの認証を受け、私は理事として参加することになった。かねてからの夢であった日本ボードゲーム大賞の選定作業に関わる(2011年まで)。2004年に2回目のエッセン・シュピール行きを果たし(インド留学中だったのでムンバイからパリ経由)、そこでも「ゆうもあ」の情報誌『シュピール』の取材として第一線の関係者にインタビューできた。

2005年夏、Merryniceさんのお誘いで流行のミクシィに入る。これによって愛好者の輪がぐんと広がった。そのひとつとして2006年、健部伸明さんとの交流がもとでヤポンブランドに携わった。もともとゲームマーケットなどで活躍している日本人デザイナーを海外に紹介できたらと思っていたので、ルールやゲーム紹介のドイツ語訳やウェブページの作成など、後方支援を行う。それで2006年、3回目のシュピール行きを果たす。これが縁で仲間もぐんと増えた。シュピールには2008年から毎年参加し、ふうかさんたちと同行している。

2007年にはグランペールの山上新介さんからの打診でドイツゲームでしょう!を発刊。ドイツの主要なボードゲーム賞の受賞全作品をレビューするという欲張りな企画で、ウェブのレポートから加筆修正していったにも関わらず執筆に1年半を要した。おかげさまで発行した700部は1年足らず、2008年版1200部も1年半で売り切れ、最新は2010年版である。

2013年、スモール出版の中村孝司さんからの打診でボードゲームワールドを発刊。これまでにない切り口で10のテーマを用意し、それぞれ10タイトルずつボードゲームを紹介するという内容で、さらにコラム、ボードゲーマー名鑑、座談会も盛り込んで執筆に1年近くを要した。コラムは『ゲームリンク』および『ボードゲームナビ』の連載を加筆修正。ブックデザインはオインクゲームズの佐々木隼さんに担当して頂いた。

2014年から、ゲームマーケットで発表された作品を顕彰するゲームマーケット大賞が立ち上がり、当サイトで新作評価アンケートを行っていたのが縁で草場純さん秋山真琴さん朱鷺田祐介さんふうかさんと共に審査員を務める(2019年まで)。

2015年9月、『タモリ倶楽部』の「同人アナログゲーム」特集に紹介役として出演。

2015年、エッセンに同行していたふうかさんのブログ開設10周年を記念して同人誌『ボードゲームナーナリスト(笑)が、行く!!』を刊行し、秋のゲームマーケットで頒布する。このとき国内外のボードゲーム業界人にインタビューを行った。その中のひとりG.シュレッサーさん(アメリカ)が国際ゲーマーズ賞(International Gamers Award)の審査員長を務めており、このインタビューをきっかけに同賞の審査員の就任を打診され、アジア初かつ唯一の審査員となった。選考はメーリングリストで行い、エッセンで開かれる授賞式に出席している。

2016年には地元の愛好者と「やまがたボードゲーム協会」を立ち上げ、山形県南部を中心に放課後学童保育、子ども育成会、老人会や、公民館などでの各種イベントで普及活動をスタート。婚活や街づくりにもボードゲームを活用し、テレビや新聞で取り上げられた。この年、「第1回東北ボードゲームフリーマーケット」を地元で開催。

2017年、コミック誌『電撃大王』にて連載が始まったボードゲームコミック『遊びたがりの霧生(きりゅう)さん』でコラムを担当したが、作者の体調不良により第1回だけで休載。

2018年には、翻訳書『ボードゲームデザイナーガイドブック』をスモール出版より刊行。著者のT.ヴェルネックさん(ドイツ)はドイツ年間ゲーム大賞の設立メンバーで、日本ボードゲーム大賞の立ち上げ時から情報を交換して以来、毎年エッセンで会っている。彼の運営する「バイエルン・ボードゲームアーカイブ」に見学に行ったこともある。内容は、ボードゲームのデザインから出版社への持ち込みまで実践方法が具体的に書かれている。

2020年には2冊目の翻訳書『ゲームメカニクス大全』を翔泳社より刊行。英語の原著が国内で話題だったことから、すごろくやさん経由で翻訳の依頼がきた。600ページ以上ある大著だったが、コロナ禍のステイホームのおかげで翻訳が捗り、10ヶ月ほどで発刊。内容は、ボードゲームで用いられているメカニクス184を分類し、実例を交えながら解説したもの。ボードゲーム制作者だけでなく、プレイ専門の愛好者、さらにはデジタルゲームの研究者からも注目され、技術書としては好調な売れ行きで、2023年には増補改訂の第2版も発売された。

河上拓さんの依頼で、ムック本『ボクらの玩具』(晋遊舎、2012年)『グッとくる超雑貨』(徳間書店、2013年)や、学研の月刊誌『GetNavi』などのボードゲーム特集、価格コムマガジン(ウェブ、2019年)などで原稿を執筆したりインタビューに答えたりしてきたが、2021年にはセブンイレブン限定のムック『おとなが愉しむ ボードゲームの世界』(ぴあMOOK)でボードゲーム賞やボードゲームデザイナーの記事を担当。その続編となる『本当に面白いボードゲームの世界』(太田出版、2022年~)でも解説やレビュー記事を執筆している。

朝戸一聖さんの企画から2023年、ゴールデンボックス賞が設立された。国産ゲームを中心に制作者にフォーカスして優れた活動を称える賞で、有志のクリエーターが投票で選ぶ。この賞の運営メンバーに、上杉真人さん、田中誠さん、杉木貴文さん、秋山真琴さんと共に翻訳者として参加している。

2019年、評論家の與那覇潤氏と河出書房新社からの声がけで一般向けの書籍を執筆する企画が浮上。4年間にわたる試行錯誤の末、精神科デイケアや仏教の視点も取り入れた新書『ボードゲームで社会が変わる』を河出新書から共著刊行。與那覇さんの知り合いの学者さんたちが実際にボードゲームを遊んで専門的な見地からコメントした。

現在、山形県長井市の禅寺に住職として在住。神尾さん、鴉さん、bashiさん、hataさん、carlさんなど、県内及び隣県から仲間をお招きして自宅ゲーム会を楽しんでいる。妻と子供たちとはめったに遊ばない。購入は未知のゲームを海外から個人輸入、遊んでみてとても気に入ったゲームは邦訳付を国内で購入ということにしているが、遊ぶ見込みがなさそうなものは購入を控え、もう遊ばなさそうなものは手放すなどしてコレクターにならないように気をつけている。またゲームとは関係のない旧友に招待したりされたり招待した時にも、状況に応じて選んだゲームを紹介することもある。思わぬ強者が現れたりして楽しい。


ルール翻訳


アイスクリーム、ウォリアーズ、ウォリアーズ拡張1、スルース、ブームタウン、ラインレンダー(以上アメリカ・Face 2 Face Games)、パラディン、ワズバラズ、ファブフィブ、カサノバ(以上イタリア・Kidult Games)、アグリコラ、同泥沼からの出発、同プレミアムグッズ、同じ世界選手権デッキ、同牧場の動物たち、同牧場にもっと建物を、同さらに牧場にもっと建物を、ル・アーブル、同内陸港、ザヴァンドールの鉱山、祈り働け、カヴェルナ、洛陽の門にて、ファウナ、グラフィティ、なんてったってホノルル、村の人生、同酒場、同港町、ポートロイヤル、ノヴァルナ、ヌースフィヨルド、ハラータウ(以上ホビージャパン)、カタンの開拓者たち、同航海者版、同カードゲーム、同探検者と海賊版、同都市と騎士版、同宇宙版、ウボンゴ、ツィクスト、ザ・クルー(以上ジーピー)、テレストレーション、私の世界の見方(以上テンデイズゲームズ)、コーヒーロースター、ゲットオンボード(以上Saashi&Saashi)。ホビージャパン、メビウスゲームズ、ゲームストア・バネスト、テンデイズゲームズからの輸入版多数。主にドイツ語からの翻訳が多い。


好き嫌い・得手不得手


建設や育成など、進度がわかりやすい生産的なゲームが好き。カードゲームならば一か八かという博打の要素があるゲームを好む。一方、紙幣(と株券)を扱うゲームは概して苦手。陣取り系は、全部を見渡すと目が疲れるので敬遠気味。ルールはできるだけ簡単で、かつ奥が深いというのが理想。好きなデザイナはドラ、ローゼンベルク、クニツィアなど。アブストラクト(運の要素がない完全公開型2人ゲーム、将棋・囲碁系)は嫌いではないが、多人数の場合にはダイスを用いるなど運の要素が入ったゲームを好む。妻は縦横のマス目があるゲームが好み。


信条


ミスしてもいいから早打ち。自分が待つのはそうでもないが、人を待たせることにはストレスを感じる。あと勝敗に拘泥しないこと(勝負を簡単に捨てるという意味ではない)。プレイ外では、ゲームの衝動買いをしないこと。

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当サイトおすすめのゲーム

安定して売れ筋――ニムトごきぶりポーカーカルカソンヌ
国内版が出ている傑作――ブロックスドメモカタンの開拓者たち
管理人の独断――ボーナンザパンデミックインカの黄金

あまりに多すぎて何を遊んだらいいか分からない……という方のために、当サイトおすすめのゲームを何点かご紹介します。以下のポイントに留意して厳選してみました。参考にして頂けたらと思います。

  • 初めてでもOK!……ボードゲームのほとんど経験がないという方でもルールが理解しやすいもの。
  • 手に入りやすい……こういったボードゲームを買えるお店は限られていますが、それでもたいていのお店にあるもの。
  • 大人が楽しめる……運や反射神経よりも、駆け引きや戦略があって考えどころがあるもの。
  • 値段が高くない……価格は1,000~3,000円台を中心に絞りました。お値段高めのものも含まれていますが、おいおいチャレンジください。

まずはニムト、ごきぶりポーカー、カルカソンヌ。東京・水道橋にあるボードゲームショップ、メビウスゲームズで安定して売れ筋上位に入っている三種の神器です。ひとまずはこの中から面白そうだと思ったものを1つを遊んでみてください。


ニムト(6 nimmt! / W.クラマー作・1994年 / メビウスゲームズ)


え~?!ぜったい大丈夫だと思ったのにィ!!

〈ゲームの概要〉1~104の番号が描かれたカード。みんな一斉に出して数字の小さい順に並べます。そのとき6番目になってしまった人はその前のカードを引き取らなければなりません。引き取ったカードにある牛マークだけマイナスになってしまうのです。

〈ゲームの楽しさ〉決して6番目にはなるまいと思って皆カードを選ぶのですが……「あー!オレかよ!!」「ふ~~、1番違いで助かったァ」その1回1回のドラマがとってもエキサイティング。このゲーム、勝つか負けるかはほかの人が何を出すか次第だから必勝法はなく、誰にでも勝つチャンスがあります。1ゲーム数分で終わり、2人から10人まで遊べる幅の広さも好感。

〈受賞〉ドイツ年間ゲーム大賞ノミネート、ドイツゲーム賞1位、アラカルト・ドイツカードゲーム賞1位
〈プレイ人数〉2~10人 〈対象年齢〉8歳以上 〈プレイ時間〉20分 〈価格〉1200円
〈他サイトの紹介〉メビウスゲームズ「ニムト」play:game評価コメントリスト「6ニムト」


ごきぶりポーカー(Kakerlaken Poker / J.ゼメ・2004年 / メビウスゲームズ)


平気な顔でウソをつこう

〈ゲームの概要〉嫌われ者の動物や虫カードを8種類を押し付けあいます。中身を見てから裏返しにして好きな人へ。どの動物・虫の名前を言ってもかまいません。もらった人は、本当か嘘か答えるか、黙って引き取って別の人に渡します。本当か嘘かが当たっていたら、カードを押し付けることができますが外れていればもらわなければなりません。同じ動物・虫を4枚集めてしまった人の負けです。

〈ゲームの楽しさ〉イヤな動物の押し付け合いに、ウソのつきっこが加わって、ゲームはルールを聞いただけでは予想できない盛り上がりを見せます。特にあと1枚でアウトというときの押し付け合いはヒートアップ。正攻法で正直に出しているのか、裏をかいて嘘をついてきたのか。素なのか演技しているのか、ウソをつく方も見破る方もじっくり見極めましょう。2~6人、20分程度。

〈受賞〉ドイツ年間ゲーム大賞推薦リスト、アラカルトカードゲーム賞3位、日本ボードゲーム大賞入門者部門2位
〈プレイ人数〉2~6人 〈対象年齢〉8歳以上 〈プレイ時間〉30分 〈価格〉1800円
〈他サイトの紹介〉メビウスゲームズ「ごきぶりポーカー」play:game評価コメントリスト「ごきぶりポーカー」


カルカソンヌ(Carcassonne / K.-J.ヴレーデ作・2000年 / メビウスゲームズ)


広げよう僕らの街、伸ばそう僕らの道

〈ゲームの概要〉タイルを並べてフランスの古都カルカソンヌを作り上げるゲーム。タイルを1枚めくって絵が合うように置いたら、自分の手下コマを1つ置くことができます。手下コマのいる街や道ができると得点。限られた数の手下を効果的に配置して、高得点を目指しましょう。

〈ゲームの楽しさ〉美しいイラストで壮観な風景が広がっていくさまは何とも気持ちがいいもの。大きなお城をどーんと作ってもいいし、小さなお城を点々とつくってもよいでしょう。1ゲーム30分程度で、2~5人用。2人や3人でも十分楽しめます。

〈受賞〉ドイツ年間ゲーム大賞、ドイツゲーム賞1位、オーストリアゲーム大賞友達ゲーム部門1位
〈プレイ人数〉2~5人 〈対象年齢〉8歳以上 〈プレイ時間〉30~45分 〈価格〉3200円
〈他サイトの紹介〉メビウスゲームズ「カルカソンヌ」play:game評価コメントリスト「カルカソンヌ」

さて、これで現代ボードゲーム(カードゲーム)の面白さを分かっていただいたとして、次は何がいいでしょうか。元は海外のゲームですが、日本のメーカーが日本語版を制作したゲームとして、以下のものがおすすめです。海外直輸入版と比べて、普通のデパートや玩具店に並んでいる可能性が高いので探してみてください。


ブロックス(Blokus / B.タビシャン作・2002年 / マテル)


パズル感覚の陣取りゲーム

〈ゲームの概要〉いろんな形のピースを四隅から始めてできるだけ多く配置できるように工夫します。置き方のルールは、「自分の色とは角だけが接するように」。ほかの人の陣地に隙間からうまく潜り込みましょう。またほかの人のピースは入ってこれないようにブロック!

〈ゲームの楽しさ〉ルールはいたって簡単ながら、どのピースから、そしてどこを先に置いていくかという戦略の豊富さと奥深さは知的興奮度バッチリ。透明でカラフルなピース、カチッとピースがはまるボードの見栄えもよくて、見ているだけでワクワクしてきます。2~4人用で1回20分ほど。子どもからお年寄りまで。

〈受賞〉ドイツ年間ゲーム大賞ノミネート、日本ボードゲーム大賞国産部門1位
〈プレイ人数〉2~4人 〈対象年齢〉5歳以上 〈プレイ時間〉30分 〈価格〉3,024円
〈他サイトの紹介〉日本ブロックス協会play:game評価コメントリスト「ブロックス」


ドメモ(Domemo / A.ランドルフ作・1975年 / 幻冬舎エデュケーション)


顔色もヒント

〈ゲームの概要〉自分の目の前にある札は、自分では見えません。ほかの人の札を見て、自分の前にある札が何かを推理します。見事当たればその札を捨てることができ、最初になくした人が勝ち。ほかの人の推理もまたヒントになるのです。40年近く前に発売された幻のゲームが、国内で再版されました。

〈ゲームの楽しさ〉使わない札もあるので、完全に推理することはできません。その代わり相手の言っている数字だけでなく、数字を言うまでの時間・視線・表情までもヒントになります。もちろんその裏をかくこともでき、慣れればなれるほど心理戦になっていきます。

〈受賞〉日本ボードゲーム大賞ノミネート
〈プレイ人数〉2~5人 〈対象年齢〉8歳以上 〈プレイ時間〉20分 〈価格〉1,944円
〈他サイトの紹介〉幻冬舎エデュケーション「ドメモ」play:game評価コメントリスト「ドメモ」


カタンの開拓者たち(Die Siedler von Catan / K.トイバー作・1995年 / ジーピー)


無人島の開拓物語

〈ゲームの概要〉1995年にドイツで発売されて以来、世界中で累計1500万セールスというセンセーションを起こしたボードゲーム。サイコロを振って資源をもらい、その資源を他プレイヤーと交換しながらほしい資源を集め、道や家などを建設し、自分のエリアを広げます。

〈ゲームの楽しさ〉サイコロ運あり、資源を交換するときのトークあり、自陣を広げていくときの戦略ありと、運だけでも、実力だけでもない総合的な楽しさがあります。ルールは多めですが、それに見合った以上の楽しみを得られるでしょう。高校生~大学生ぐらいで、友達とじっくり遊びたい方に。

〈受賞〉ドイツ年間ゲーム大賞、ドイツゲーム賞1位、ドイツゲーム賞金の羽根賞、日本テーブルゲームグランプリ1位
〈プレイ人数〉3~4人 〈対象年齢〉10歳以上 〈プレイ時間〉75分 〈価格〉4,104円
〈他サイトの紹介〉ジーピー「カタンの開拓者たち」play:game評価コメントリスト「カタンの開拓者」同「カタン」

 さてここまでは、入手しやすさを優先して世間的に評価の高いゲームを紹介してまいりました。最後に管理人の独断で3つ挙げておきたいと思います。本当の意味での「当サイトおすすめのゲーム」です。入手ルートは限られていますが、ボードゲームショップ検索で探してみてください。


ボーナンザ(Bohnanza / U.ローゼンベルク作・1997年 / メビウスゲームズ)


そのマメが欲しかった!

〈ゲームの概要〉いろんな種類の豆を手札から出して自分の前に植えるという栽培カードゲーム。手札の順序を変えてはいけないものだから、いらない豆は欲しい豆とどんどん交換しましょう。しかし豆の価値はそれぞれ全く違います。何枚対何枚で交換しようか、それともタダで挙げてしまおうか、それはプレイヤー次第です。

〈ゲームの楽しさ〉交渉というと重苦しいイメージがありますが、このゲームでは本当に軽いノリで楽しめます。マメはそれぞれ個性的でかわいいイラストが施されており、コレクション欲もくすぐられるでしょう。この辺で収穫しようか、それとももっと集めようかという選択も悩ましいところです。

〈受賞〉ドイツ年間ゲーム大賞ノミネート、ドイツゲーム賞5位、アラカルトカードゲーム賞1位
〈プレイ人数〉3~5人 〈対象年齢〉12歳以上 〈プレイ時間〉45分 〈価格〉1,500円
〈他サイトの紹介〉メビウスゲームズ「ボーナンザ」play:game評価コメントリスト「ボーナンザ」

【ニコニコ動画】【卓M@s】豆限定!アイドル収穫祭(ルール説明編)【Bohnanza】

パンデミック(Pandemic / M.リーコック作・2008年 / ホビージャパン)


世界中に蔓延するウィルスを退治

〈ゲームの概要〉現代を舞台に、医者や科学者となって世界中の都市にどんどん広がっていく病原菌を撃退し、ワクチンを作る協力ゲーム。ワクチンを作るには世界各国を回って知識を集め、一箇所に結集しなければならない。しかしその間に病原菌は連鎖反応的に隣接する都市に拡大していく。

〈ゲームの楽しさ〉このゲームにはプレイヤー間の勝敗はなく、全員が勝つか、全員が負けるかという一蓮托生が最大の魅力。知恵を出し合い、相談し、プレイヤーそれぞれの得意分野を生かして対処する連帯感が、どんどん絶望的になっていく状況下で一層強まります。その分、ワクチンの作製に成功したときの喜びはひとしお。失敗しても、また挑戦したくなり、成功したら、もっと難易度を上げてプレイしたくなります。2人でもおすすめ。

〈受賞〉ドイツ年間ゲーム大賞ノミネート、ドイツゲーム賞3位、日本ボードゲーム大賞2位
〈プレイ人数〉2~4人 〈対象年齢〉13歳以上 〈プレイ時間〉45分 〈価格〉4,200円
〈他サイトの紹介〉ホビージャパン「パンデミック」play:game評価コメントリスト「パンデミック」


インカの黄金(Incan Gold / B.フェドゥッティ、A.R.ムーン・2006年 / アークライト)


もう一歩進むか、それとも引き返すか

〈ゲームの概要〉インカの黄金を探す探検隊の一員となって、ジャングルの奥地へと進んでいくゲーム。遺跡を奥に進めば進むほど大量のお宝にありつけますが、仕掛けられたトラップにひっかかると、その冒険で得た宝物は全て失うことになってしまいます。毎回の選択肢は「神殿に残る」か「神殿を離れる」の2択だけ。2枚目の危険カードが出ると財宝は獲得できませんし、早々に離れてしまっては、多くの財宝を獲得できません。

〈ゲームの楽しさ〉単純なバーストゲームながら、人が減っていくにつれて分配されるお宝が増えたり、1人で引き返すと途中に残された宝石を独り占めできたり、本当に遺跡を進んでいるようなリアルな味わいがあります。引き返した直後に次々とトラップが出てきて閉鎖されると、結果論であることは分かっていても「俺の判断が正しかった」という気持ちになります。

〈受賞〉ドイツ年間ゲーム大賞推薦、オーストリアゲーム賞多人数部門1位、アラカルトカードゲーム賞4位、国際ゲーマーズ賞ノミネート、日本ボードゲーム大賞入門者部門1位
〈プレイ人数〉3~8人 〈対象年齢〉8歳以上 〈プレイ時間〉20~40分 〈価格〉2,592円
〈他サイトの紹介〉アークライト「インカの黄金」play:game評価コメントリスト「インカの黄金」

 あとは誰と遊ぶか、何人で遊ぶか、どういう場面で遊ぶかによって変わってきます。2人だけなら『ガイスター』、子どもと一緒なら『カヤナック』、パーティゲームなら『人狼』、フリークゲームなら『アグリコラ』……きりがありませんね。日本ボードゲーム大賞(NPO法人世界のボードゲームを広める会ゆうもあ主催)や国内外のゲーム賞の受賞作品も参考にしてみるのもよいでしょう。
 もうここまで来れば、自分自身で探すことができるようになるでしょう。ネットだけでなく、ゲームショップで相談したり、各地のゲーム会に顔を出してみたりして自分だけのお気に入りを探してみてください。