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新作の人気は『フレスコ』

今年の新作ゲームの人気を占う「プフェファークーヘル(Pfefferkuchel)」の結果が、ドイツのボードゲーム情報サイト・シュピールボックスにて発表された。
「プフェファークーヘル」は、復活祭(今年は4月上旬)の休日を利用して約300名の参加者がホテルに集まり、1週間ゲームを遊ぶイベント。週末に人気投票の結果を集計して発表している。ドイツのゲーム年度(前年のエッセン国際ゲーム祭から当年のニュルンベルク国際玩具見本市)に合わせた新作を対象としており、ここで上位になったゲームは、9月に発表されるドイツゲーム賞でも上位に入ることが多い。今年で6回目。
『ドミニオン』旋風が吹き荒れた後の今年の結果は以下の通り。エッセンで発売されたフリーク向けのゲームがひしめく中、ニュルンベルクで発表されたクイーンゲームズの『フレスコ』が1位となっている。ドイツゲームの復権なるか。『フレスコ』は、メビウスゲームズ(東京・水道橋)店長のブログに紹介記事が掲載されており、国内販売も間近であると見られる。
追記:ボードゲームギークのフォーラムで6位以下も明らかになった。全11タイトルのうち、オリジナルのドイツゲームは8タイトル、すでに国内で発売されているものが8タイトル、日本語版のあるものが3タイトルとなっている。
【プフェファークーヘル2010】
1位:フレスコ(Fresko)135点
2位:ヴァスコ・ダ・ガマ(Vasco da Gama)98点
3位:エンデバー(Magister Navis)78点
4位:ハンザ・テウトニカ(Hansa Teutonica)69点
5位:果てしなき世界(Die Tore der Welt)55点
6位:エジツィア(Egizia)47点
7位:ティタニア(Titania)33点
8位:サマルカンド(Samarkand)27点
9位:洛陽の門にて(Vor den Toren von Loyang)25点
10位:マカオ(Macao)25点
11位:ロール・スルー・ザ・エイジ(Im Wandel der Zeiten – das Würfelspiel)25点
spielbox-online:Fresko gewinnt den Pfefferkuchel
Boardgame Geek:Pfefferkuchel 2010

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ビバ・パンプローナ(Viva Pamplona)

牛は気まぐれ

北スペインのパンプローナという街で毎年7月に開かれている牛追い祭。闘牛場に牛を運ぶときに、若者たちが度胸試しに牛の前を走ったのがもとで、すでに600年も続けられている。大賞作家のW.クラマーがこのお祭りをもとに作ったボードゲームが『ビバ・パンプローナ(パンプローナに栄光あれ)』である。
ダイスでコマを進めて、カードで牛を進める。カードの中にときどき得点計算が入っており、この時点で牛と同じマスにいるコマは3点、1マス前は2点、2マス前は1点が入る。一方、牛の後ろにいるコマは全て失点。
自分のコマは3つあり、1回の手番で進められるのはそのうち2つだけ。ダイスは運だが、出目を見て、どのコマを進めればよい位置取りができるかは考えどころである。0〜6マスを選択できる矢印の目の使い方もテクニカル。一方の牛は気まぐれで、のんびり歩いていたかと思えば急に猛突進し、微調整して来るのを待っていた人は翻弄されまくる。
ゴールは、『ドラダ』のように後から入ったコマほど得点が高い。しかし、牛がゴールしてしまうとその時点でゲームが終わってしまう。だから終盤は、牛と同じマスにいることよりもゴールを目指したほうが得かもしれない。ほかの人との駆け引きもある。
さらに、同じマスに自分のコマがほかの人より多く集まるとカツアゲできるルールや、牛より後になっても失点しない特別マス、3以上出さないと進めない「トマトの坂」(トマトが坂道にぶちまけられていて、人も牛も転んでしまう)があって、展開に多様性を持たせている。
今回は途中で連続得点計算が起こり、牛の歩みがしばらく止まったので、みんなトマトの坂を利用して足踏みしていた。ここで得点計算が起こればと皮算用するみんな。ところが牛はあっさりとトマトの坂を越えてゴールしてしまった。ゴールできたのはnaoさんの1人だけ。でもそれは1点に過ぎず、途中でカツアゲしまくった神尾さんが1位となった。
トマトの坂でみんなが待っているなら、得点計算が起こっても差はつかない。それならいっそのこと、先回りしてゴールしたほうがよかったかなと思っても後の祭り。でも荒れ狂う牛を前に、こわごわ(あるいは大胆に)近づく雰囲気がよく出ていて楽しかった。
Viva Pamplona
W.クラマー/シュミット(1992年)
2〜6人用/8才以上/45分
絶版・入手難