ルーンエイジ(Rune Age)
ファンタジーボードゲーム『ルーンバウンド』の世界で4つの部族が戦いを繰り広げるデッキ構築ゲーム。昨年アークライトが日本語版を発売した。カード枚数が多くて価格が高くなりがちなデッキ構築ゲームでは、3150円という値段はお買い得である。しかもシナリオが4つ入っていて、ゲームの目的からして全く異なるので、4つのゲームを買うようなものでお得感いっぱいだ。
どのシナリオにも共通するのは、手番に手札の貨幣カードや部隊カードなどで新しいカードを獲得し、共通の敵やほかのプレイヤーと戦闘するということ。全員の手番が終わって一周すると、イベントカードをめくって、敵が出てきたり、次のラウンドにしばりが生じたりする。戦争がメインなので、デッキ構築ゲームなのに展開はかなり派手である。デッキもめまぐるしく変わる。
カードの入手方法は3つ。貨幣カードで部隊カードを買い、部隊カードで都市カードを攻め落とし、都市カードで作戦カードを支配するのが基本である。1手番の入手枚数に『ドミニオン』のような制限はないので、高いものを1枚手に入れても、安いものを何枚か手に入れてもよい。そこは戦略次第。部隊カードは部族ごと、作戦カードはシナリオごとに異なるので、組み合わせを考えて購入したい。
4つのシナリオは、ドラゴンロード(戦闘力がやたら大きい)を最初に倒した人が勝ち、お互い殴りあって生き残った人が勝ち、協力して何ラウンドか全員生き残ったら勝ち、お金を貯めて記念碑を最初に買った人が勝ちの4つ。ゲームの方向性はシナリオによって全く変わる。
部隊カードや作戦カードは、新たにカードを入手するだけでなく、ほかのプレイヤー、イベントで出現する敵、シナリオの目的になっている敵を倒すのにも用いる。ポイントは、カードの効果によって投入した部隊などが破壊されてしまうところ。破壊されると、場札に戻り、また入手し直さなければならない。これによって、強制的にデッキが圧縮されていくことになる。
今回は生き残ったら勝ちというシナリオ「ルーンウォーズ」を選んだ。お互いに部隊カードや作戦カードを出して戦力を合計し、上回った分だけ相手にダメージを与えられる。このダメージが累積して20になると脱落というシナリオである。毎手番、戦争のたびに相当な軍隊がいなくなるので、デッキが5枚だけなどという事態も(笑)。
最初に部族の特殊能力でダメージを受けていた鴉さんが脱落し、残ったぽちょむきんすたーさんと私の一騎打ち。捨て札からすぐ復活してくる「蘇った軍団」と、作戦カード「ドラゴン」の圧倒的な力で私のデッキはほとんどなくなって終了。プレイ時間は60分超。長さを感じさせないエキサイティングなセッションだった。
デッキの回り方もシナリオによって変わりそうなので、ほかのシナリオもプレイしてみたい。
Rune Age
C.コニエツカ/ファンタジーフライト+アークライト(2011年)
1-4人用/13歳以上/60分
アークライトゲームズ:ルーンエイジ
『ファブフィブ』日本語版、5月13日発売
うそつきの、うそつきによる、うそつきのためのカードゲーム。絶版になって久しかったものの、パーティーゲームの傑作として日本人のボードゲーム愛好者に広く知られた一品がついによみがえった。
3枚のカードを引いて、その組み合わせで3桁の数字を言う。カードには0〜9の数字が書いてあり、3桁の数字は降順(853とか)にしなければならないが、ウソをついてもよい。次の人はウソだというか、3枚を受け取って、1枚を交換する。受け取ったら、前の人より高い数字を言わなければならない。必然的にどこかでウソをつかなければならなくなるわけで、スリルがどんどん高まっていく。
2004年にキダルトゲームズ社(イタリア・ミラノ)から多言語版で発売され、日本語ルールも同梱されていたが、キダルトゲームズ社の活動休止によって入手難となっていた。今回は『ヒットマンガ』で知られるタンサンファブリークによる親しみやすいイラストで生まれ変わった。また日本語・英語版となっており、海外展開もにらむ。
5月13日のゲームマーケットが初売。会場で購入した人にはオリジナルプレゼントも用意されている。
・タンサンアンドカンパニー:ファブフィブ